ビールに含まれるホップのパワー(画像はイメージ)

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キリン健康技術研究所と東京大学、学習院大学の共同研究チームは、ビールの苦味成分にアルツハイマー病予防効果が期待できるとする研究結果を、2016年12月1〜3日に開催された、「第35回日本認知症学会学術集会」で発表した。

今回、予防効果が確認されたのは、ビールに含まれるホップ由来の苦み成分「イソα酸」。もともとホップに含まれている「α酸」が、醸造過程で加熱されることによって生じるという。

研究では、アルツハイマー病患者と同じように脳内にアミロイドが蓄積したマウスを、イソα酸を混ぜた餌を3か月間与えるグループと、与えないグループに分類。認知機能や脳内のアミロイド量を分析している。

その結果、イソα酸を投与されたグループでは、されていないグループと比較して脳内のアミロイドの量が有意に低下していた。脳内の老廃物除去や、抗炎症効果がある細胞「ミクログリア(小膠細胞)」が活性化していることも確認されており、実際に脳内の炎症も緩和されている。

また、新しい物体に対する興味や反応によって、認知機能や記憶力を評価するテストでも、イソα酸投与グループは高スコアとなっており、解析したところ、神経細胞のシナプス量が有意に増加していたという。

これらの結果から、研究チームは「イソα酸がミクログリアを活性化し、アルツハイマー病の進行を抑制する効果があることが示唆する」としている。学会での発表は、学術誌に掲載されるまでは 予備的な研究とみなされる。

医師・専門家が監修「Aging Style」