写真/Ryo FUKAsawa

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◆創業者はシリアルアントレプレナー

 ソフマップは秋葉原を中心に、全国37店舗を展開しているパソコン等の量販店です。1982年に鈴木慶氏が「孫正義・西和彦天才と神童の戦い」という雑誌の記事を見たことをきっかけにパソコンに着目して創業しました。ちなみに鈴木氏は2000年にソフマップの代表を退任後も、2001年にドリームテクノロジーズ(現社名トライアイズ)、2012年にシュッピンで上場しているシリアルアントレプレナーでもあります(ご本人はどれも辞めるつもりで始めてないのでそんなつもりはないそうですが)。

◆時代に合わせ業態を柔軟に変えて躍進

 当初はパソコン用ソフトウェアの会員制レンタル事業で事業を拡大していましたが、著作権に対する取り締まりの機運を受けて、1985年には撤退、中古パソコンの買取と販売を中心とした業態にシフトし「売っても買ってもソフマップ」というポジションを築いていきます。販売開始当初は商品展示を行わずその分廉価に販売する「箱売り」業態を得意とし、また「新品5年保証」「中古3年保証」といった独自の保証制度を導入するなどして業績を伸ばしていきましたが、Windows95の爆発的ヒットを見越した上で、初心者向けの「展示販売」業態に大きく舵を切り、特に秋葉原の1号店にはシカゴ(ChicagoはWindows95の開発名称)というニックネームをつけるなど、大型店舗の出店を加速させ10年間で年商1000億円を超える企業にまで成長します。

◆かつての勢いを失なったPC販売の雄

 しかし、90年代も半ばに入ると、パソコンの価格下落、中古品の流通性の低下、ゲーム類の販売不振といった影響と競合である大型家電量販店の躍進による優位性の低下で、業績が停滞し始めます。その後は1997年に経営危機に関する根拠のない噂に苦しんで丸紅の支援を受けたりしながら、2001年に上場はするものの業績改善は進まず、2005年に丸紅がソフマップ株をビックカメラに譲渡したことから、2006年にはビックカメラの連結子会社となり、完全子会社となった2010年には上場も廃止し、現在は共同で経営再建にあたっています。

第5期決算公告:11月16日官報43頁より
当期純損失:△1億6500万円
利益剰余金:△8億5000万円
過去の決算情報:詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1131221#flst

◆ビックカメラ傘下で経営再建中

 なお、2007年に秋葉原本館を開店していますが、ビックカメラの全面バックアップのもと白物家電も扱っているので、「電気街のソフマップ(&ビックカメラ連合)vs昭和通りのヨドバシ」という新宿と似た全面対決の様相を呈しています。ただ、今回の決算でも純損失を出しており、いまだかつての勢いは取り戻せていないようです。

◆伝説のポーズはいつ生まれたのか?

 ちなみに、現在のネット上でソフマップといえば微妙なグラドルの「ソフマップポーズ」を連想する人も多いと思いますが、これはゲームソフトなどの小売会社で2002年にソフマップの傘下に入ったヤマギワソフトがアニメ、アイドル関連のイベントに力を入れていたのを基本的にそのまま引き継いで今の感じになっているようなのですが、あのポーズがいつから登場したのか、そしてなぜわざわざ恒例にしたのかは謎ですね。

決算数字の留意事項
基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。

【平野健児(ひらのけんじ)】
1980年京都生まれ、神戸大学文学部日本史科卒。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの『SiteStock』や無料家計簿アプリ『ReceReco』他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業、全国の企業情報(全上場企業3600社、非上場企業25000社以上の業績情報含む)を無料&会員登録不要で提供する、ビジネスマンや就活生向けのカジュアルな企業情報ダッシュボードアプリ『NOKIZAL(ノキザル)』を立ち上げ、運営中。
<写真/Ryo FUKAsawa>