指原莉乃の快進撃がスゴい。過去に、「女性アイドル」グループに在籍しながら、個人としてバラエティなどで大活躍した例は皆無に近い。かつて、モーニング娘。が国民的アイドルとして誰もが知る存在だった時でも、主要メンバーが個人で活動し、指原ほどの人気を獲得したことはなかった。

まさに、アイドルという枠を飛び越えた人気を獲得し、活躍をしているのが現在の指原莉乃だ。彼女も目標としていたというアイドル番組を、12月22日26:15から放送予定の「指原議長とアイドル国会」(フジテレビ系)にて叶え、こちらでもメインMCとして大活躍。

もはや、2016年の指原の人気ぶりを紹介するまでもないので、ここでは、なぜ指原莉乃は人気があるのか?に迫ってみたいと思う。

注目したいポイントは、指原莉乃が「アイドル」だということ。指原の活動する軸が所属するHKT48としていることは非常に重要なポイントだ。彼女の実力があれば、卒業をして個人で活動するという選択肢はもちろんある。しかし、アイドルという枠組みの中で活動をしているからこそ、現在の指原の大活躍はあると思われる。

加えて、彼女がAKB48加入前からハロー!プロジェクト〜モーニング娘。、Berryz工房〜の大ファンだということも大きい。アイドルとはどうあるべきか、という基本をファンとして多く見てきただけに、時には逆説的にアイドルという存在を使い、ある時は皆が忘れたような王道の路線で攻めることもある。指原が「アイドル」というイメージを変幻自在に使いこなし笑いが生まれ番組にも呼ばれる。指原がアイドルとしても全力で活動をしているからこそこの方程式は成立し、奇跡のグルーヴが生まれるのだ。もしも、指原がバラエティーでの人気の高さに慢心して、アイドル活動を疎かにしていたらここまでの人気はないだろう。

現に、HKT48での活動やAKB48メンバーとして選抜に選ばれた時、ファンとの交流イベントでも指原は誰よりもアイドルとして輝こうとしている。この部分で手を抜かないからこそ指原莉乃の面白さが形成されていくのだ。

では、いつか来るであろう、アイドルを卒業した場合の指原は魅力がないのか?ここが、指原における今後の大きなテーマになるだろう。その点でも、着実に指原は力をつけ始めている。

彼女がMCを務め、またゲストとしてひな壇に座った時の反射神経の良さが非常に目立つようになってきた。定型通りに司会者が進行をしていく番組が減り、フリートークを中心に流れを作りながら番組を進行するバラエティが多い昨今。指原は様々な司会者とともに仕事をしていく中で、その番組、司会者にしっかりと合わせるスキルを身につけた。レギュラー番組をともにする後藤輝基や、山崎弘也が指原との絡みでお笑いのグルーヴを上手に作り出していけるのも、指原がしっかりとパスを受け、時にはワンツーパスを返し、時には自虐ネタなどでシュートをしっかりと決められる存在だから、安心してトークを回していける。これは、多くの番組に出演した中での慣れもあるだろうが、指原が備えていた才能の1つなのではないかと思う。バラエティに出始めた頃はどこか無軌道で、反射的に打ち返す言葉で時に炎上をしてしまいそうなものも多かった。しかし、ここ最近では、適切な言葉を瞬時に返答し、その受け答えによってトークが広がるような心遣いも感じられる。元々もっていた反射神経の良さに、場数を踏んだことでの経験が積み重なりいまや、どんなバラエティ番組でも通用する力をつけた。指原は地頭が非常に良く語感センスやその場の空気を読み取るセンスが非常に高い。才能と努力で、バラエティでは欠かせない存在にまで上り詰めていった。

2017年は、HKT48の指原莉乃としても、バラエティで活躍する一人のタレントである指原莉乃としても、勝負の年になると考えられる。このままの勢いで更なる高みへ行けるのか?現役アイドルとして、前人未到の領域にまで足を踏み入れ始めている指原莉乃。

これからの活躍に、注目していきたい。(編集部/高橋学)