日本の年金制度

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■老後の資産作り「iDeCo」の始め方丁寧に教えます

2017年1月から、ほとんどの人が加入できるようになる個人型確定拠出年金。

最近では「iDeCo(イデコ)」という名称でPRされており、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

確定拠出年金とは、毎月の掛け金を運用し、60歳以降に一時金または年金として受け取る制度です。国民年金や厚生年金に上乗せするとイメージして下さい。

この制度が大きな注目を浴びているのはメリット多いからです。

・ 掛け金が全額所得控除され(所得税や住民税が安くなる)
・ 運用中の利益が非課税
・ 受け取るときにも税制優遇される

老後の資産作りにはもっていこいの制度であるとともに、毎年、所得税・住民税を減らすことのできる制度となっています。詳しくは、拙著『ズボラな人のための確定拠出年金入門』(プレジデント社)をご覧ください。

■ステップ1:「金融機関」選び&「専用口座」開設の準備をする

今回は、確定拠出年金の始め方・加入の手続きをご紹介しましょう。

個人型の確定拠出年金に加入するには、まず、取り扱っている金融機関(運営管理機関といいます)を自分で選んで専用の口座を開設する必要があります。企業型では、勤め先(事業主)が運営管理機関を選んでおり自分で選ぶことはできません。

運営管理機関には、銀行や信用金庫、証券会社、生命保険会社などがあります。その数おおよそ200。国民年金基金連合会のウェブサイトで、そのリストを確認できます(http://www.npfa.or.jp/401K/ )。

「どこを選んでも同じじゃないの?」と思われるかもしれません。が、実際のところ、それぞれの運営管理機関によって商品のラインナップや手数料などが大きく異なります。

確定拠出年金での運用は長期間に渡ります。手数料の高い商品や運営管理機関を選んでしまうと、最終的に数百万円違ってくる……ということもありえます。注意してください。

▼運営する金融機関の失敗しない選び方

運営管理機関を選ぶ際の主なポイントは、「希望する商品(株式、債券など)を取り扱っているか」と「手数料は安いか」の2点です。

特に重要なのは「希望する商品を取り扱っているか」です。確定拠出年金を始めるにあたって(通常の資産運用でも同じですが)、どのような商品をどういった配分で購入するか、おおまかな運用方針を決めましょう。方針が決まれば、その商品を取り扱っている運営管理機関を探します。

資産の運用方針に、万人に共通する答えはありません。加入する人の年齢や資産、既婚か未婚か、リスクの許容度合などによって購入する商品のバランスは変わってくるからです(参考記事/「確定拠出年金 30〜40代独身こそリスク商品を買え」http://president.jp/articles/-/20599)。

 

■ステップ2:運営する金融機関の「手数料」をチェック

一方で、手数料が安い運営管理機関を選ぶことは、全員に共通するポイントです。

個人型確定拠出年金に加入する際にかかる手数料には「加入時手数料」「口座管理手数料」の2つがあります。

「加入時手数料」は初回に一度だけ口座の開設手数料として、国民年金基金連合会に一律2777円支払うものです(一部3857円の運営管理機関もあり)。

重要なのは「口座管理手数料」です。これは、運営管理機関に毎月支払う手数料です。月額167円のところもあれば月額642円の機関もあり、運営管理機関によって異なります。数百円違うだけならどこでも良いか……とは思わないで下さいね。チリツモですから。

確定拠出年金は、掛け金から口座管理手数料を差し引いた額で商品を購入します。

たとえば、毎月2万円の掛け金で金融商品を購入すると、掛け金2万円から月々の口座管理手数料を差し引いた金額で金融商品が買い付けられます。口座管理手数料が月200円だと1万9800円、月625円だと1万9375円で金融商品が買い付けされます。つまり、同じ商品を購入するなら、口座管理手数料が安い方がたくさんの口数を購入できるということです。

運用が長期間になればなるほど、月何百円の差が最終的には大きな差になります。
できるだけ、口座管理手数料が安い運営管理期間を選びましょう。

特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会が運営している「iDeCoナビ」のウェブサイトでは、手数料の比較や商品の品揃えなどが確認できます(http://www.dcnenkin.jp/search/commission.php)。

■ステップ3:金融機関の「サービス」充実度をチェック

さらにもうひとつチェックしておきたいポイントが、運営管理機関のサービスです。

ほとんどの運営管理機関は、それぞれのウェブサイトに手数料や商品の情報を掲載しており、そこから資料を請求できるようになっています。それに加えてコールセンターなどを設置して、問い合わせに対応しているところもあります。

ところが、なかには商品の手数料などの詳細を載せていない運営管理機関もあり、そういったところは不親切だといえます。

運営管理機関を選ぶポイントを、改めてまとめると

・自分の希望する商品を扱っているか(商品そのものの手数料にも注意)
・口座管理手数料は高くないか
・ウェブサイトで商品や手数料などの情報が公開されているか

次点で

・コールセンターの対応はどうか
・使い勝手は良いか

の5点を基準に考えてください。

■ステップ4:ネットや電話で資料を請求する

運営管理期間が決まれば、その金融機関に資料請求をして口座を開設しましょう。
ウェブサイト上で必要事項を入力するか、コールセンターに電話をして資料を送付してもらいます。

資料が届いたら、内容を確認して申込必要書類に記入します。

会社員の方は、勤め先(事業主)に「事業所登録申請書兼第二号加入者に係る事業主の証明書」という書類を提出し記入・捺印してもらいます。それを申込必要書類と同封して返送しましょう。

申込用紙の主な記入内容は、「基礎年金番号」「掛け金引き落とし口座番号」の他に、「拠出金額」と「運用配分」などがあります。

引き落とし口座は、基本的に個人名義の銀行口座から毎回掛け金が引き落とされますが、会社員の方は給料から天引きしてもらうことができる場合もあります。

拠出金額は5000円以上。1000円単位で設定できます(拠出金額には上限あり*/後から変更可能)。運用配分は、運用商品ごとに割合(%)で指示します(商品Aを30%、商品Bを20%、商品Cを50%……など)。

*掛け金の年間の上限額は、自営業者など81.6万円/企業年金のない会社員27.6万円/企業年金のある会社員(企業年金のみ)14.4万円/公務員14.4万円/専業主婦27.6万円。

■書類を提出した後は

申込書類の提出は運営管理機関ですが、手続き完了の通知は実施主体である国民年金基金連合会から送られてきます。

また、それとは別に運営管理機関ごとに指定する「レコードキーパー(記録関連運営管理機関)」から、ウェブサイトで運用状況を確認するためのIDやパスワードなどの資料が送られてきます。レコードキーパーは、私たちの掛け金の運用の履歴を管理する会社で、運用指図の受付も担当します。

手続きが完了すると、いよいよ運用が始まります。

掛け金は、毎月26日(休業日の場合は翌営業日)に指定の口座から引き落とされます。口座残高不足などで引き落としができなかった場合は、その月の拠出はなかったこととされて、後から支払うことはできません。

■年末調整と確定申告 忘れずに!

自営業やフリーランスの方(第1号被保険者)と、会社員で自分の口座から掛け金を引き落としている方は、毎年10月頃に「小規模企業共済等掛け金振込証明書」という書類が国民年金基金連合会から送られてきます。

自営業者やフリーランスの方は、確定申告のときに、会社員の方は年末調整のときにこの書類を提出しましょう。この書類を提出しないと、所得控除を受けることができませんので忘れずに行いましょう。

より詳細をお知りになりたい方は、拙著『ズボラな人のための確定拠出年金入門』(プレジデント社)をご参考になさってください。

(ファイナンシャルプランナー 井戸美枝=文)