遺伝性眼病だけは防げたと思った女児だが…(出典:http://www.heraldsun.com.au)

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若年で発症に気づく目の遺伝性疾患はたくさんあるが、その中でも深刻なのは視野がせばまり夜盲を感じたあとで失明に向かう「網膜色素変性」と、常染色体優性遺伝の形をとるガンのひとつ「網膜芽細胞腫」である。出生児15,000〜16,000人につき1人の割合で網膜に悪性腫瘍が発生するという後者は、遺伝子操作の進歩により親からその遺伝を受け継がない子が誕生する時代となっているが、このほどオーストラリアで…。

豪メルボルンに暮らすブルーノさん、アスンタさんのフォグリアロ夫妻。アスンタさんは幼い時に瞳が白金色に光ることで発見される「網膜芽細胞腫」を発症し、各種の治療が奏功したため今も健在だが視力を失っていた。しかし愛し合う2人は5年前、この眼病を継承させないための遺伝子操作を伴う体外受精を選択し、クロエちゃんという可愛い女の子を授かった。非常に高額な出費とはなったが、両親とも健康な女児の誕生に大満足で医学の進歩にただ感謝したという。

ところがクロエちゃんは5歳になると歩行時に体のバランスを崩すようになり、今年7月、ブルーノさんに連れられて医師のもとへ。そこで残酷にも「切除の難しい悪性脳腫瘍が発見されました」と告げられてしまった。8月になるとクロエちゃんは歩くことすら難しくなっていったという。しかし奇跡の子として誕生したクロエちゃんをどうしても諦めきれない夫妻は、難治性の脳腫瘍にも放射線療法の代替治療で効果を上げている医療機関が米テキサス州にあると聞いて渡米。クロエちゃんはヒューストンのブルジンスキー・クリニックで「アンチネオプラストン療法」という当クリニックが独自で行っている治療を10週間受けた。

これにより脳腫瘍は成長のスピードをガクンと落とし、クロエちゃんの症状には改善が見られるようになった。ただし治療費は25万豪ドル(約2,150万円)を超えてしまい、インターネット募金サイト『GoFundMe』で寄付を呼び掛けたところ早くも10万ドル近くが集まったそうだ。ブルーノさんは今、感謝の気持ちととともにこう述べている。

「妻は自分の遺伝性の眼病がすべての原因だとして大変落ち込んでいます。そんな彼女のためにも、また募金活動を支えてくれているフットボールチームの仲間や寄付してくれた人々のためにも、なんとしてもクロエには頑張ってほしい。私も決して望みを失わずに娘を支えていきたいと思います。」

「資金面で余裕があれば、あと3〜4か月の代替治療を受けさせてあげたいと思っています。そのクリニックは本当に素晴らしい成績を上げており、脳腫瘍のサイズが半分に縮んだ、4〜6週間後に完全に消滅したという子もいるのです。本当はメルボルンでもそうした治療が受けられれば何よりなのですが…。」

あまりにも辛い不運と闘っているファミリーに、どうか幸あれと祈らずにはいられない。ちなみに「網膜芽細胞腫」でRB1遺伝子に異常が確認された場合、その子は将来的に骨肉腫ほか別の悪性腫瘍を発症する可能性もあるとのこと。長期にわたる全身の観察が必要となり、遺伝相談外来などでもカウンセリングが行われている。家系に複数名の患者が存在する場合、1人しか存在しない場合、また両眼性か片眼性かでも遺伝の確率は異なってくるという。

出典:http://www.heraldsun.com.au
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)