近ごろ中国メディアで、日本で新しい血液型が発見され、それが福島の原発事故による放射性物質拡散と関係があるとの情報が流れ、拡散した。これに対して、中国の科学系中央メディアである科学日報が15日、第1面で「関係ない」とする専門家の見解を伝える記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 近ごろ中国メディアで、日本で新しい血液型が発見され、それが福島の原発事故による放射性物質拡散と関係があるとの情報が流れ、拡散した。これに対して、中国の科学系中央メディアである科学日報が15日、第1面で「関係ない」とする専門家の見解を伝える記事を掲載した。

 記事は、近ごろ多くのメディアが相次いで「日本の科学者がA・B・O・ABとは全く異なるLangereisおよびJuniorという2つの血液型を新たに発見した」という情報を転載して報じたと紹介。そこでは、福島の原発事故の放射性物質漏れと関係がある、この影響は速やかに全世界に及び、将来10種類以上の新しい血液型が出現する可能性があるなどといった内容が伝えられているとした。

 この件について、中国国内の血液研究関係の専門家らに話を聞いたところ、いずれも「新たに発見されたものではなく、放射性物質漏れとは関係ない」との見解を示したと報じた。

 そして、中国医学科学院血液病院輸血科の周雪麗主任が、「現在、人類の血液型では36の血液型系統が発見されている。その中でABOが最も早く発見され、人類への影響が最も大きくなっているのだ」と語り、解放軍第302医院輸血科の馮艶青副主任が「LangereisおよびJuniorは国際輸血学会が2012年に血液型系統の1つとして2012年に正式に認めたもの。その発見自体は数十年前にさかのぼることができる」とコメントしたことを伝えている。

 今回の「血液型情報」は、中国メディアがロシアメディアの報道内容をそのまま引用して流したものとみられる。特に人間の生命や医療、健康に関する問題について、情報の正確性を確認しないまま拡散させ、後になって専門家が否定するという事態は、中国メディアの未成熟さを垣間見るものと言えるだろう。しかも、一部のメディアではなく、中国政府の直属する機関が運営するようなニュースメディアまでがこの情報に乗っかるという現状は深刻だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)