東京すき焼きベストセレクション!王道から進化形まで名店6選
割り下の良い香りと肉に火が通っていく様が食欲を刺激する!
もう年末ムードが漂う今日この頃。1年の疲れを癒すには、美しいサシの入った牛肉のすき焼きを存分に楽しみたい!
そんな時は東京都内厳選のこのお店に行って欲しい。今回紹介する6店は、それぞれ王道系、進化系を代表する都内すき焼きの名店ぞろい。
どの店も高級な牛肉をこれでもか!というほど美味しく、贅沢に味わえる。さあ、最高の”肉納め”に足を運ぼう。
「特選黒毛和牛ロース すき焼定食」※お通し2品、お食事、デザート付
【王道】しゃぶしゃぶの名店は「すき焼き」だって超絶品『ざくろTBS店』
赤坂
昭和30年創業の『ざくろ』は、しゃぶしゃぶを世に広めた店として有名だ。しかしすき焼きも絶品なのをご存じだろうか。
今回は都内屈指の美味しさの「特選黒毛和牛-A5等級-すき焼き」を紹介しよう。
まずはお肉を焼き、続いて野菜を入れるのが『ざくろ』流。
すき焼きはスタッフが丁寧に仕上げてくれる。鉄鍋を充分熱したところで、脂をひき割り下を鍋に入れる。ジュワ〜っと甘い香りが漂ったところで、美しい特選黒毛和牛が一枚ずつ投入されていく。まさにこのタイミングで、肉への期待値は極限まで上昇するだろう。
『ざくろ』では、砂糖、醤油、昆布ダシ、みりん、水を独自の配合で混ぜ合わせた割り下を使用。関西風かと思うほど、しっかりとした濃いめの割り下で、充分な満足感を得ることができる。
焼き上がった肉が取り皿へと運ばれ、サッと生卵と絡めて頬張れば、その瞬間にとろけるように口から消えていく……。
「もうなくなってしまった」と思わずにはいられない一瞬の幸福をじっくりと味わいたい。
1人2枚お肉を味わったところで、野菜を鍋に投入。季節によって野菜異なるが、玉ねぎ、しいたけ、エノキ、春菊、こんにゃく、豆腐などが入る。
また、すき焼きの前には「小ふぐの唐揚げ」などの2品を選べるお通しも、お酒を飲みつつ楽しめるのが嬉しい。
王道のすき焼きの名店、トマトなどの変わり種も!
肉以外の具は長ネギ、豆腐、白滝、椎茸、春菊。女将が作る自家製割り下は甘辛だけど後味爽やか
【王道】最上級のA5和牛を秘伝の割下で堪能『江知勝』
湯島
湯島の天神様のすぐそばにある明治4年(1871年)創業の老舗すき焼き店『江知勝』。創業当時から最高級の和牛のみを使用することを信条としており、現在も専門の目利き職人が厳選したA5の黒毛和牛のみを使用。その味を求め、今も多くの食通が通う。
まず、秘伝の割り下を適量に注いだら、鍋半分に野菜や豆腐を並べる。割り下が沸騰し始めたらお肉を2枚広げて投入。この時、白滝の凝固剤に使われている石灰が肉を硬くするのを防ぐため、肉と白滝を遠ざけておく。「お肉が少しまだらにピンク色になったかな、くらいで裏返します。裏返したらすぐに召し上がってください」と、頃合いに声をかけてくれる。
このタイミングで肉を引き上げ、溶き卵につけて食べると、さすがの一言。フワッとほぐれ、新鮮な肉の味が口いっぱいに。幸せを約束してくれる店である。
すき焼き(霜降りのコース) 2人前〜
【王道】これぞ老舗の美味『すき焼き しゃぶしゃぶ割烹 いし橋』
末広町
肉屋として明治5年に創業。すき焼きの提供は、同12年から。以来、愛されてきた老舗の美味はミシュランからも評価され、星を獲得している。
その肉を受け止める割り下は、一子相伝のレシピで作られていること。上品な甘さで、肉に程よく絡み、肉の美味しさを引き立ててくれるのだ。さらにそれをくぐらせる溶き卵は、肉に負けないようにと2Lサイズ。そして、仲居さんが食べ手のスピードに合わせ、肉を一枚ずつ丁寧に焼いて供してくれるのだ。これで美味しくないわけがない。
長年、神田で江戸っ子に愛され続ける至極の味。ぜひ一度、食してみてほしい。
霜降りのコースで供される「トビ」。桃色の肉と、透き通る白さの脂が絶妙な割合で交わる。贅を極めた美味しさ。肉の追加は、予約時にしておく
その肉を受け止める割り下は、一子相伝のレシピで作られていること。上品な甘さで、肉に程よく絡み、肉の美味しさを引き立ててくれるのだ。
さらにそれをくぐらせる溶き卵は、肉に負けないようにと2Lサイズ。そして、仲居さんが食べ手のスピードに合わせ、肉を一枚ずつ丁寧に焼いて供してくれるのだ。これで美味しくないわけがない。
肉鍋の王者は、やはりすき焼きだと実感させられる至極の味。ぜひ一度、食してみてほしい。
焼くように炊く人形町今半流すき焼。特上8,100円(税込)
【王道】120年の歴史が導く旨さの秘密は赤身にあり『人形町今半 人形町本店』
人形町
潤いを帯びた光沢を放つ見事な霜降り肉を一枚。少量の割下を入れただけの浅鍋に、広げるように投入するや、じゅわっという快音とともに和牛ならではの芳しい香りが立ち上る。
肉の色がサッと変わったところで、溶き卵にくぐらせ頬張れば、豊潤な脂肪の甘みに卵のまろやかなとろみが絡みあい、渾然一体となって口中でとろける。だが、後口は思いの外、軽やか。霜降り肉にありがちな嫌な脂っこさは皆無だ。ここ『人形町今半』のすき焼きの真の凄さはそこにある。
個室「桐」
赤身(筋肉質)に酸味を含んでいる肉がベストだそうで、それによって脂肪の甘みが引き立ち、後口のキレもよくなるわけだ。
トマトすき焼き、塩すき焼きも食べてみたい!
トマトすき焼き。
【トマト】リッチだけどヘビーじゃない これぞ進化鍋の代名詞『三田ばさら』
三田
濃厚な割下で煮込んだすき焼きの旨さは言わずもがなだが、ただ美味しいだけでは芸がない。『三田ばさら』の「トマトすき焼き」は、まず、そのメニュー名を聞くだけで彼女の好奇心をそそるはず。
牛脂の代わりに鍋にオリーブオイルとニンニクを敷き、大玉のトマトと玉ねぎを並べ、そこに甘辛な醤油風味の割下をジュワッと注ぎ込む。鼻腔をくすぐる甘く香ばしい湯気に高鳴る胸。
鍋の〆は赤ワインとトマトピューレをひと煮立ちさせ、デミグラス風のソースにタリアテッレを絡めて
主役の肉は、安定した品質を提供するため産地や銘柄は限定せず、その日一番状態のよい国産黒毛和牛を使用。美しい霜降り肉が、ほんのり色を変えたら食べ頃のサイン。
トマトと一緒にほお張ると、約束された定番の美味しさを心地よく裏切る、甘みと酸味の絶妙なマリアージュが口に広がる。さっぱりとした後味で、最後まで飽きずにいただけるのも女性好みと言えるだろう。
調理はすべてスタッフが担当してくれるので、鍋の世話に気を取られずふたりの会話を楽しめる。話題性、味、サービスすべてを兼ね揃えた“デート鍋”。この冬、ぜひ押さえておきたい。
特選塩すき焼き。肉はもちろん、締めの雑炊も絶品!
【塩】とろけるような米沢牛を塩すき焼きで味わう『雅山 GARDEN』
麻布十番
東京ですき焼きを食べさせる店は数多あるが、醤油ベースの割下で肉や野菜を煮込むスタイルが主流で『雅山』のように塩味で供するのは、めずらしい。
『雅山』で扱うのは、まろやかで深い味わいを持つ米沢牛。それも、3歳までの雌のみに限定している。
坪庭を眺められる小上がり席は2〜6名で利用可能。他にも座敷の個室なども備える。
未経産牛は雄よりもクセがなくキメも細かい。塩すき焼きの場合、塩と日本酒とカツオ出汁のみで調理するため、臭みのない雌牛でなくてはならないのだという。
まず、鍋で焼かれた肉を卵にからめて食し、塩とカツオ出汁ベースの割下で野菜を煮込み、肉は色が変わったところで引き上げる。これはまさに、従来のすき焼きとは似て非なるもの。未知の美味に思わず感嘆のため息がこぼれる。