テンテンコ/撮影=カノウリョウマ

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2014年のBiS解散とともに“フリーランス”宣言をし、特定の事務所に所属することなくシンガー、DJなどとして活動してきたテンテンコ。そしてことし2016年、TOY'S FACTORY内のMIYA TERRACEレーベルとマネージメント契約、12月14日には待望の1stミニアルバム『工業製品』をリリースした。2年間の“フリー”期間で彼女は何を見て、何を感じてきたのか? 改めて振り返ってもらった。

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――今回は、2014年7月のBiS解散から現在までのテンテンコさんの生きざまを語ってもらえればと思います。まず誰もが驚愕したBiS解散直後の“フリーランス”という選択肢、どういう経緯で決心に至ったんですか?

「BiSをやっている最中はついて行くのに必死だったから何も考えていなかったけど、いざ終わるとなったときに、初めてしっかり『私は何がしたいんだろう?』と考えたんです。そこで一番大きかったのが『音楽をちゃんとやりたい』という気持ちでした。思い返してみると、戸川純さんとかPhewさんとか、昔から私が好きな音楽に携わっている人って、今も変わらず活動をずっと続けている人で。だから私もその人たちのように、自分のやりたい音楽を死ぬまで、おばあちゃんになってもずっと続けていたいと思うようになりました。そう結論が出たとき、これから先またBiSと同じような活動をしていたら、自分が本当にやりたいことはずっと続けられないだろうなと思って、取りあえずひとりになって、いろんなことをやって自分にできることを探してみようと――。そういう思いのもと、決断しましたね」

――怖さや不安はなかったですか?

「私、別に『有名になりたい』とか『お金持ちになりたい』とは思ってなくて、最悪バイトしながらでも自分がやりたい音楽をやれるならそれでいいやと思っていたんです。というより、その覚悟がないと“フリーランス”なんて自称しちゃダメだと思っていたので、ちゃんとそれを覚悟した上で発表しました。だから、怖さも不安もなかったです」

――実際にバイトすることはなかった?

「いや〜、ありがたいことになかったんですよね。なんとかなりました。私が普通の人よりお金を使わない人間だからかもしれないですけど(笑)。音楽を作ったりDJをしたりするための機材以外に、欲しいものが全然なくて。この2年半で服にも興味なくなっちゃったし、ご飯も『食べられればいいや』くらいな感じだったし。意識して節約していたわけじゃなく、自然と使いませんでした」

――それは良かったというか、うらやましい限りです(笑)。割と、安定したフリーランスの2年を過ごすことができたたわけですね。

「本当におかげさまで、ほぼ毎週のように何かしらイベントの出演があったので、毎日その準備に追われながら、合間合間に音を探して曲作りをしていました。ゼロから始めた分分からないことが多くて逆に時間が足りないくらいだったんですが、私の目指すところが“死ぬまで”好きな音楽を続けたいという長いスパンなので、焦らずゆっくりやっていけばいいかなと(笑)」

――逆に、それだけ休みがないのも大変だったんじゃないですか?

「体力的にきつかった期間もあるけど、別に休みたいとも思っていなかったから、ツラくはなかったです。イベントの準備の合間に音楽を探している時間も、楽しいというか、ありがたい時間ではあったので」

――ひとりで活動をやってきて、やりがいを感じた瞬間はどんなときですか?

「たくさんあります! ひとりになってまだ間もないころなんですけど、DJとしてノイズ系だったりインダストリアル系だったり、実験的にとにかく好きな音楽を流していて、『こういうことをやっていたら誰もお客さんいなくなるだろうな』と思っていたんです。でも、それも覚悟したうえで『私はこれがいいんだ!』と思っていて。それでもずっと見に来てくれるお客さんがいることはすごくうれしかったし、音楽をやっている人にほめてもらえたり、私が好きだった方に別のイベントに呼んでもらえたりしたときは、やっていて良かったなって感じましたね」

――もし差し支えなければ、その好きだった方を教えていただきたいです。

「DOMMUNE(ドミューン)の宇川直宏さんです。ネットの音楽配信番組なんですけど2015年11月かな? 通常2時間枠のところを『5時間やってみない?』と誘っていただいて。そこがまたものすごい磁場の発生源で、実際に私のターニングポイントになったと言ってもいいくらい、いろんなことが変わるきっかけになった日でした」

――ずばり、何が変わりました?

「5時間もひとりで何かやる事は凄く大変なので、とにかくいろいろ試そうと用意して持っていったものが、すべてうまくいって。でも、一番大きかったのは気持ちですね。全世界配信のネット番組なので、見て、聴いてくれている人数が多いからというのもあるんですけど、配信後のネット上での感想がいつもの比じゃないほどたくさんあって。評判も良かったし、今まで私のことを知らなかった人や、知っていても今何をやっているかまでは知らない人にまで届いたみたいで、そういう人たちも感想を書き込んでくれたりしたんです。DOMMUNE出演までは覚悟はありながらも自信がない中で手探りだったんですけど、『この道に進んで間違っていなかった』っていう自信に大きくつながりましたね」

――やりたい音楽の方向性は、2年間一貫していましたか?

「もちろん好きな音楽のジャンルはありつつも、最初はやっぱり何をやりたいのか手探り状態でした。ノイズ系やインダストリアル系が好きな一方で歌謡曲も好きだけど、どちらかに絞っていったほうがいいのかを考えてみたり、どちらかというとノイズ系の音楽の方が自信を持って作れるので、そっちばかりに寄ってみたり。最終的にこの2年で見つけた答えが“どっちも好きだからどっちもやる”という方向性。どちらの音楽も好きで、どちらの音楽もできるっていうのが、私の強みになっているのかなと思ったんです。だから機会がある限り、どちらの音楽もやっていきたいなと考えています」

※このほか、ノイズ、インダストリアル音楽にひかれる理由、1stアルバム制作までの経緯、将来への展望などについて、現在発売中の雑誌「グラビアザテレビジョン」でも大いに語っています。こちらもチェック!

[Profile]●テンテンコ 1990年8月27日生まれ。北海道出身。O型。身長142cm。2013年BiSに加入、2014年の同グループ解散とともにフリーランスに。ライブ、DJ活動のほか、自身のブッキングによる企画ライブ「ブタゴリラ」を主催するイベンターなどとしても活躍する。2016年にTOY'S FACTORY内に新しく設立されたレーベル・MIYA TERRACEとマネージメント契約。8月に配信限定でのシングル「放課後シンパシー」をリリースした。そして、待望の1stミニアルバム『工業製品』が12月14日に発売になったばかり。12月25日には、「テンテンコ『工業製品』発売記念クリスマススペシャルインストアライブ」を入場無料で東京・ヴィレッジヴァンガード下北沢にて開催