肺炎の多くは、胸部痛や熱、咳などの症状が伴い、若い人でも気付かないうちに重症化し、死に至るケースもある。
 医療関係者によれば、アレルギー反応(夏型過敏症肺炎など)や粉塵の吸入、薬によるもの、遺伝的なものなどが要因とされるが、多くの場合は原因不明で、特定疾患、いわゆる“難病”に指定されている特殊な病気だ。
 そのため現在も治療法や原因解明の研究が進められる中、喫煙に関しては、肺胞壁に炎症や損傷が起きて壁が厚く硬くなる(線維化)間質性肺炎の原因の一つであることが分っているという。同時に、肺炎を起こした人が喫煙をすると肺がんを起こす確率が高くなることも判明している。

 医学博士で総合医療クリニックを営む内浦尚之氏はこう言う。
 「肺はスポンジのような構造で、空気を含んでいる組織です。健康な肺は、鼻孔から気管を通って外界から入り込む細菌やカビ、ウイルスなどを24時間休まず排除している。しかし、入り込んだ細菌などの量が多かったり、タバコや粉塵の吸入などで肺の免疫力が低下すると、菌やウイルスの方が優位となり、肺炎になってしまうのです」
 さらに、高齢者や糖尿病、肝硬変慢性腎不全などの病気を持つ人が、ひとたび肺炎を引き起こすと重症化して危険な状態になる。肺に菌などの異物が入り込むと、本来であれば戦ってくれる免疫力が持病で弱まっているため、時には全身に炎症が広がって命が脅かされることもあるという。

 肺炎は、病原微生物の種類により「細菌性肺炎」「非定型肺炎」「ウイルス性肺炎」などに分けられる。それぞれ治療薬も違い、複数の菌が混合感染している場合もあるが、一般的に「肺炎」と言うときは、細菌による感染が原因の「細菌性肺炎」を指している。
 症状は、高熱や咳、痰や呼吸困難などが主で、黄色い痰がでるのが特徴だ。気管支につながる肺胞と呼ばれる部位に起こり、炎症を起こす。
 「『細菌性肺炎』の原因の一つとして挙げられるのが、誤嚥です。本来、食道を通って胃に送られるべき食べ物や唾液が、誤って気管の方に入ってしまう。“食べ物や飲み物であれば多少の汚れは大丈夫なのでは”と思われがちだが、肺にとっては、食べ物自体が雑菌だらけの異物でしかない。その雑菌が、口の中の唾液や逆流した胃液などと一緒に、少しずつ気管から肺へ入り込み、重症化することがあるのです」(医療ライター)

 そうした傾向は、高齢者や脳卒中後の患者に多く見られるという。また、口の中に雑菌が多く繁殖し、虫歯や歯周病であったり、歯磨きを怠り口腔内を不衛生にしていると、年齢とは関係なく、若者でさえ起こり得る。