16日、秋田県を訪れた中国人観光客が民宿での体験を旅日記につづっている。写真は田沢湖駅。

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2016年12月16日、秋田県を訪れた中国人観光客が民宿での体験を旅日記につづっている。

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秋田新幹線に乗った私が田沢湖駅に到着したのは夜9時ごろだった。大きなガラスが印象的な駅の建物は立派だが、外は真っ暗。それに人がほとんどいないではないか。雪は道路の上にこそないものの、その両脇にうず高く積まれている。スーツケースを引いて歩く私の近くを時折、自動車が通り過ぎて行く。チラチラと照らし出されるのは漆黒の大地だ。私は怖くなって早足で前へと進んだが、その一方で高揚感が沸き上がってくるのを感じた。なぜなら、人里離れた場所で見る豪雪と生活感たっぷりの街中で見る豪雪とでは印象が全く違うからだ。「雪国の人たちはこういうふうに生活しているんだ!」と、私はその時気付くことができた。

私が向かった民宿は鮮やかな緑色の外観が目を引く「森湖休」だ。私を出迎えてくれたのは親切な奥さん。ほっそりとした体つきで、笑顔で私を中へと案内してくれた。穏やかな口調で道中のことを気遣ってくれたが、日本語がそれほどできない私は「問題ありませんでした」と答えるのがやっとだった。

この民宿の客室は2階にある。部屋の数は3つだ。私が奥さんからバスルームなどの説明を受けていた時、1人旅をしているという若い日本人女性が現れた。私たちは互いに会釈であいさつ。寝る準備をしていた彼女はパジャマ姿で、何ともなじんでいる様子だった。

客室のある2階スペースは完全に宿泊客だけの空間になっている。オーナーが生活しているのは1階だから、互いの存在が気になるということはない。バスルーム、洗面所、トイレはとても清潔で、それぞれが独立しているため3人が同時に使うことができた。さらにコーヒーやお茶のサービス、冷蔵庫の中には飲み物が用意してあるのだが、宿泊2日目になって私が手を付けていないことに気付いた奥さんはわざわざ私にそのことを伝えてくれた。

私がこの民宿を宿泊先に選んだ理由は、日本人の生活スタイルに対する好奇心を満たしたいと考えたからだ。伝統的な畳の部屋に西洋風の家具が置かれていて、部屋にあるドレッサーや花をモチーフとしたランプ、液晶テレビやダイニングのカウンターなどを実際に使ってみると、これらすべてが民宿の中で巧妙に融合されていることに気が付いた。もしかしたら、私は年を取ったことで「旅先で触れた生活感」に感動しやすくなったのかもしれない。

2日目の早朝は奥さんに迷惑を掛けてしまった。午前7時に朝ごはん―。私もこんなに早く起きたくはなかったのだが、8時半の電車に乗り遅れると次は11時まで待たねばならなかったのだ。朝ごはんは健康的なメニューでとてもおいしかった。宿を去る当日の朝、窓を開けた私の目の中に飛び込んで来た雪景色のことを今も覚えている。朝日がまぶしかったが、前の晩は猛烈な雪。車の屋根全体が雪で真っ白だった。(翻訳・編集/野谷)