発売中の『プレジデントFamily2016冬号』。子供に算数を教えられないとお悩みの親御さんの「虎の巻」です

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『プレジデントFamily2016冬号』は毎回大好評の「算数特集」。目玉の記事は、名教師に聞いた“算数の素朴な疑問 虎の巻”。なぜ、円周は直径に3.14を掛けるのか? なぜ、分数同士の割り算は分母分子をひっくり返すのか? 子供に教えられますか?

■算数アレルギーの編集者が「円周率3.14」の意味を初めて知った!

算数が苦手だ。自慢じゃないけど、高校では数学で8点を取ったことがある。10点満点なのかと思ったが、違っていた。補習を受けても、何をやっているのかよくわからなかった。

自分には向いていないので、文系学部へ進み、文系の仕事を得た。よし、これで一生、算数・数学とは無関係に生きられると思ったのに、何の因果か、プレジデントFamily編集部では「算数特集」をするという(これが毎回好評なのだ)。いやだな、いやだな。私にできるんだろうか? 苦手意識を持ちながらも何回か特集記事を編集して、驚いた。

おもしろいのだ。

名教師ばかり取材しているからだと思うが、とにかく、説明がわかりやすくて、おもしろい。名教師の説明は、100点満点で8点しかとれない私にもよくわかった。

たとえば、円周率。恐る恐る、ある教師にこう聞いてみた。
「あのー、そもそもなんですが、なんで円周は、直径に3.14をかけるのですか?」

するとその教師は、直径2cmの厚紙を円形にくりぬいて、直線上で一回転させた。その長さを測ると6.28cmになる。同様に直径3cmなら9.42cm、4cmなら12.56cm……。つまり、どれも必ず直径の3.14倍になっている! まるで魔法みたいに、円周率3.14の意味を目の前で見せてくれたのだ。

覚えるだけでは無味乾燥にしか思えない公式は、理由を体験するとワクワクする魔法の呪文のように思える。円周は、どんなに大きな円でも、必ず直径×3.14になっている。この世界には、まるで神様が決めたとしか思えないような、目に見えない法則があるのだ。

こういった体験をすると、算数のことが好きになる。日本数学教育学会が行っている「算数についての児童・保護者・教師の意識」調査によると、1998年のゆとり教育導入以降、算数が好きという子の割合が右肩上がりで増えている。これは具体的な物を扱ったりしながら、時間をかけて算数を体験できるカリキュラムが増えたからだ。算数については、ゆとり教育は成果があったのだ。

■算数が苦手な母親は子供と一緒に復習しよう

学校のカリキュラムは良くなっているが、それでも子供が「算数が苦手」なら、このワクワクするような魔法を、あの手、この手で見せてあげよう。学校の先生は、1人ひとりに時間を割いては、なかなかできない。ここは、やはり親の出番だ。

学習院初等科の大澤隆之教頭によると、「お母さんにしてほしいのは、復習」だという。

「今日は何を習ってきたの?」と聞いて、子供に説明させる。その時に、苦手なお母さんがわかるように説明できなければ、本当の意味ではわかっていないのだ。公式を丸暗記して、ただ計算手順を説明していたら、「なぜそうなるの?」と聞いてみよう。

子供はたぶん答えられない。だから、お母さんも一緒に考えよう。その時に、具体的な物を使ったり、絵にかいたりして、「なるほど、そうか!」と体感させることが大切だ。さきほど、私に円周率の存在をありありと気づかせてくれた教師のように。

一見遠回りに思えても、一度、イメージができたことは、感覚として忘れない。

これが、たとえば中学受験などで複雑な応用問題に直面した時に、あれこれ考える手立てとなる。時間がある低学年のうちに、なるべく具体的な物を扱って、算数をイメージさせる体験をさせたいものだ。

■算数苦手小1娘が「4と5の公倍数」を自ら発見!

取材のあとで、我が家でもこんなことがあった。

娘は小学校1年生。先取りで九九を教えたら、ただそらんじているだけなので、「6×7=42、6×8=48、6×9=45」のように、前の数より小さくなったりして、なかなか覚えられずにいた。

そこで取材した宝仙学園小学校で使っているという百玉そろばんを使って九九を体験させてみた。具体的には、「2、4、6、8……」というかんじで2飛び、3飛びで数を数えさせるのだ。宝仙学園小学校では、1年生の時にこのように数を数えさせることで、2年生での九九への導入をスムーズにしているのだとか。

さて、娘はこうやって数を数えさせると、そらんじる時、前の数より小さくなるのはおかしいと自分で気づくようになった。さらに、4飛び、5飛びで数を数えた時のこと。「あれ、お母さん、4も5も100ピッタリで終わったよ。おもしろいね」と言ったのだ。前の日に娘は2飛び、3飛びで数を数えていた。3飛びは中途半端で終わった記憶が残っていたから、このような発言になったのだろう。

物を具体的に扱っていると、100は4の倍数でもあるし、5の倍数でもあるといったことを子供が自分で発見できる。あとで倍数を習ったときに、「あれだ!」と思えたら、楽しいだろう。

算数の体験のさせ方は、素人にはなかなか思いつかないが、いま発売中の『プレジデントFamily 冬号』では具体的な方法がたくさん盛り込んである。「苦手克服 つまずき解消家庭 マル秘テクニック」や「なぜ、東大生が育った家では自然と数感覚が身につくのか」といった記事では、家庭でできる算数体験がいっぱいだ。

さらに、「名門小カリスマ先生が数字アレルギー母子に回答 この教え方でいいの? 素朴な疑問50にすべて答えます」では、6年間のつまずきポイントをすべて網羅した。

「分数同士の割り算をするとき、なぜ、ひっくり返すの?」
「通分って何をしているの?」
「速さって、なんで距離を時間で割るの?」

こういった素朴にして案外返答に窮する問い(50問)に対する現役先生による納得の「100点回答」がいっぱい載っている。これまでの自己流の教え方がかえって子供の理解を妨げていたと気づくこともできる。何より苦手母が「わかった」と思えれば、子供にもわかりやすく教えられるはずだ。そんな強みを生かして、今日からあなたも名教師になっちゃおう!

(プレジデントFamily編集部 森下 和海)