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小学校の児童20人を含む26人が死亡、1人が負傷したサンディフック小学校銃乱射事件は当時20歳だった犯人のアダム・ランザが自殺することで幕を閉じました。2度とこのような事件が起きないように、という思いのもと作られた非営利団体Sandy Hook Promiseが、「なぜ少年は銃撃事件を起こしたのか?」というムービーを公開しており、見終えた後に戦慄が走る出来になっています。

Evan - YouTube

とあるアメリカの学校の風景。授業終了のベルが鳴り、放課後に突入した模様。



1人の少年が図書室で何かを描いています。



「退屈」とデスクにボールペンで書いていました。



翌日、再び放課後。



前日と同じ席に向かうと……



「ハイ、退屈さん。初めまして」と少年が前日に書いたメッセージに対しての返事が書かれていました。



思わず振り返りますが、誰が返事を書いたのかは不明。



ちょっとうれしそうです。



返事に対して、さらに「休みが待ちきれない」返事をします。



また、別の日になり、少年が昼食中に見つめているのは……



2人の少女。



すれ違う少女たちに目を向ける様子は、「もしかしたらこの子が返事を書いているのかも」と想像しているのかもしれませんが、品定めをしているようにも見えます。



「休みが待ちきれないよ」「同じく」「夏はどうする予定?」「クールなことは何も」「多分僕たちは『クールじゃないこと』を一緒にすべきなんだよ」と、どんどんメッセージのやりとりが増えていきます。



自分のすぐ隣を通り抜ける女の子たちに目を向け……



Instagramでも女の子たちの様子をチェックしています。



「多分僕たちは『クールじゃないこと』を一緒にすべきなんだよ」というメッセージへの返事は、「いいわね」



「この子たちのどちらかが……」



「もしかしたら隣の席の子が?」と若干不審者っぽくなってきました。



「君は誰?」



しかし……



「図書館は夏の間お休みです」という無情な張り紙。





アメリカでは9月から学年が切り替わるので、夏休みの前には一年の学校生活をまとめた思い出アルバム「イヤーブック」を受け取ります。



主人公の少年は、少女のイヤーブックに「いい夏を エヴァンより」メッセージを書き込み、手渡します。





すると、少年のメッセージを見た少女の友だちが……



「ねえ、退屈さん」と呼びかけます。



「まさか!」と思わず笑顔になる少年、エヴァン。



「この人が図書館の机でやりとりしていた人よ」と語る少女。ようやくメッセージの交換相手が見つかりました。



すると、その向こうの扉が開き、1人の少年が入ってきます。



「ガシャン」という音に3人が目を向けると、扉から入ってきた少年はライフルの装填を完了したところ。ありふれた日常が突然失われ、凄惨な銃撃現場に変わるのでした。



「退屈」と言っていた少年エヴァンが夏休みを前に見知らぬ「誰か」とメッセージをやりとりし、少女と出会うまでというストーリーに見えたムービーでしたが、実は同時進行で「銃撃した少年」のストーリーが進んでいました。しかし、ムービーの視聴者にはエヴァンしか見えていなかったことが、ここからわかります。

例えばムービーの冒頭、エヴァンが机に書き込みをしているシーン。



後ろに座っている少年をよく見ると、銃の雑誌を読んでいます。



次はエヴァンが自分の書いたメッセージに初めて返事をもらったシーン。エヴァンの後ろには少女に話しかけられて中指を立てる少年の姿。



エヴァンがすれ違う少女に目を奪われている横では、先ほどの少年がいじめにあっています。



以下のシーンでも、少女に目を向けるエヴァンの目の前で、少年は銃のムービーを閲覧中。



視聴者がエヴァンのラブストーリーに注目している間にも、「銃撃した少年」のストーリーはどんどん進んでおり、種明かしがされた後にムービーを見直してみると上記以外にも銃撃少年の「サイン」はいくつも見つかります。そのため、1度目のムービー視聴では「ラブストーリーの最後で唐突に始まった銃撃事件」という印象を受けますが、実際のところ銃撃が唐突起こったものではなく、起こるべくして起こったことがわかります。ムービーを公開したSandy Hook Promiseは、最後に「銃による暴力は、あなたがサインを知っていれば防ぐことができる」というメッセージを送りました。