役づくりのトレーニングよりも
公開まで“秘密厳守”がツラかったそう

写真拡大

 ハリウッドでも活躍するメキシコの国民的俳優ディエゴ・ルナが、新作「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」を引っさげ、来日を果たした。母国では映画監督、テレビプロデューサーとしても実績を誇るルナが、今作が「スター・ウォーズ」シリーズの中でも特別な理由を力説した。

 40年近く世界中で熱狂的に支持されるスペース・オペラへの出演に「迷いや抵抗は一切なかった」と即答したルナは、「『スター・ウォーズ』が大好きで、ずっとその一部になってみたかった」と思い入れたっぷり。「ギャレス(・エドワーズ監督)から一緒にやろうと言われた時から、不安はあったし、責任重大なのはわかっていたけど、単なるいい映画ではなく、最高の映画をつくりたいと思っていた。このユニバースに刻印を残すような作品にしたいと思っていたんだ」と、笑顔で振り返る。

 ルナが演じたのは、幼い頃から反乱軍の一員として戦いに身を投じてきた情報将校キャシアン・アンドー。帝国軍の究極兵器デス・スターの設計図を盗み出すミッションで、主人公ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)をはじめとしたアウトローたちを主導する役どころだ。「戦争は決していいことではないし、誰も戦争をしたいとは思わない。だけど、戦争中には汚れ仕事をする人が必要だ。キャシアンはそのひとり。スパイであり、敵の陣地に侵入するルートを見つけるという、危険で困難極まりない役目がある」。任務で困難な選択を強いられることもあるキャシアンは、「銀河に自由をもたらすためなら、どんな手を使ってでも成し遂げようとする」ため、「今作にオリジナリティや複雑味をもたらしている」と解説する。

 大義のためには悪事もいとわないキャシアンをはじめ、どの登場人物も善悪で区分することはできない。「だからこそ、この映画は特別なんだ。登場人物たちが白黒はっきりしていないところが、まるでぼくたちみたいだからリアルなんだよ。いままでの『スター・ウォーズ』の世界では見られなかったような複雑さが、この映画を極めてスペシャルにしていると思うんだ。ユニークな世界観に新しいものを取り入れるのはそう簡単じゃないけど、監督たちはその中で複雑なキャラクターの個性や関係性を描出する方法を見出したんだ」。

 「ジェダイは滅びた」とされる時代に、フォースに導かれるがごとく出会う“ローグ・ワン”の面々を演じたのは、ラテンカルチャー代表のルナをはじめ、英女優のジョーンズ、アジアから参戦したドニー・イェン&チアン・ウェン、そしてパキスタン系イギリス人のリズ・アーメッド。さらに、オーストラリア人俳優ベン・メンデルソーンや“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンといった国際色豊かなキャストが、銀河の運命を左右する。「世界中の観客たちが、スクリーンに自分自身が投影されているのを見たいと思っている。ぼくたちみんなにその希望を実現するチャンスが与えられているから、映画をつくるにはすばらしい時代だと思う」とグローバルな視点を持つルナ。「さまざまな人が入り交じった多様性のおかげで、より豊かに、より強く、よりパワフルに生きられると気付いたんだ。映画をよりよくするために、お互いに補いながら引き立てあうことを学んだよ」と真摯に語った。

 本作で描かれるのはシリーズの原点「エピソード4 新たなる希望」の直前の物語だが、シリーズを知らない人でも「最高の形でユニバースに入っていくことができる」ときっぱり。「この映画のヒーローは、きみやぼくみたいな普通の人。ごく平凡な人々が偉業を成し遂げるから、とてもワクワクする映画になっているんだ。それに、自由のためにすべてを犠牲する人々のチームワークを描いた映画でもある。さらに、シリーズのなかで一番リアリティがあるから、銀河でもっともダークな時代で戦う人たちの姿を見た観客は、自分たちも何かを達成できると思えるんじゃないかな」。

 「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」は現在公開中。