林全氏

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(台北 16日 中央社)緩和が検討されている福島など5県産食品に対する輸入規制について、反対の立場をとる野党・国民党は16日、北部・新北市で25日に開かれる公聴会に合わせ、会場周辺などで抗議活動を行うと発表した。1万人以上の参加を見込んでいる。

台湾では、2011年の東京電力福島第1原発事故後、国民党の馬英九前政権が福島、茨城、群馬、栃木、千葉の5県で製造・生産された食品の輸入を全面的に禁止。一方、今年5月に発足した民進党の蔡英文政権は、福島を除く4県産食品の輸入を条件付きで認める方針を示している。ただ、政府が先月に各地で開いた公聴会は反対派の抗議により混乱に陥った。

また、今月には台湾の飲食店やデパートで販売されていた日本産の納豆に、禁輸対象である千葉産や茨城産の調味料が入っていたことが発覚。大型スーパーのカルフールが島根産として輸入した商品が福島産であったことも明らかになるなど、政府の管理能力への信頼が揺らぐ事態となっている。

こうした事態を受けて林全・行政院長(首相)は15日、自身のフェイスブック上で、規制緩和の議論は国民の信頼を取り戻した上で行う必要があると指摘。さらに、25日からの公聴会で出た問題の解決が現段階で難しいようであれば、緩和しない可能性もあると語った。

これに対し、国民党からは林氏の説明は単なる時間稼ぎとの批判が出ている。また、同党文化伝播委員会の胡文キ・副主任委員は16日、政府が本当に禁輸を続けるのであれば、引き続き公聴会を開く必要はないのではないかと疑問を呈した上で、人々の健康を守るために立ち上がるべきだと呼びかけた。(キ=王へんに奇)

公聴会は25日から計3回開催される予定で、新北市のほかにも、来年1月2日に南部・高雄市、同8日に北部・台北市で行われる。

(謝佳珍、劉建邦、呂欣ケイ/編集:杉野浩司)