中部国際空港(セントレア)での見学の後は、富士重工業の航空機宇宙カンパニー 半田工場見学会に訪れました。

セントレアも立ち入り禁止区域での見学でしたが、半田工場も富士重工業の社員(もちろん関係者をのぞく)であっても、そうそう立ち入ることができないとのことです。

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2017年4月1日から社名をSUBARUに変更する富士重工業には、自動車事業などのほかに、航空宇宙事業を展開していて、同社の売上高でみると全体の約5%を占めています。

この数字は一見少ないように感じますが、日本の航空機産業と自動車産業を比べると、前者はその3%しかことを考えると、決して低い数字ではありません。

また、世界の航空旅客もジェット旅客機の需要も今後伸びていく予測があるそうで、SUBARUにとって航空機宇宙事業は今後さらに重要な地位を占めるのは間違いないでしょう。

さらに、自動車生産工程をそのまま活用するわけではない、という前提がつきますが、自動車産業の手法を応用したコスト低減、調達管理なども採り入れられているそうです。

 

半田工場で組み立てられているのは航空機(ボーイング777、787、777X)の中央翼。左右の主翼外翼と前後胴体をつなぐ非常に重要な翼で、ありとあらゆる方向から荷重がかかります。

使用されている素材は、ボーイング777がアルミ合金(ジュラルミン)、787が炭素繊維複合材、チタン合金、アルミ合金を使用。防衛省のP-1、C-2はアルミ合金となっています。

なお、半田工場のほか、約4km離れた場所に半田西工場があり、こちらではボーイング787の中央翼の炭素繊維複合材製の外板パネルが製造されています。

中央翼を組み立てている半田工場では、現在の787用が月産10機、777用が8.3機で、777X用の組立工場も新設されています。

ボーイング社からの設計どおりに作り、組み立てるのはもちろんですが、穴の開け方や必要な刃具、工具などの設計や使い方などは富士重工業に任されているそうです(全部ではないかもしれませんが)。

また、設置場所のミスを防いだり、装着のし忘れを防いだりするため、部品供給キットを段ボールで作るなど、随所に工夫が凝らされています。

中島飛行機というルーツをもつスバル。現在のクルマにもフロントグリルやバンパーのウイングチップなどに航空機由来のモチーフが使われているのは周知のとおり。

ほかにも、複合材を使ったパーツをクルマにも使われているのはもちろん、「アイサイト」も無人機の制御技術を活用しているそう。自動車産業と航空機産業をもつスバルの技術の深さを感じることができました。

(文/塚田勝弘 写真/富士重工業、ボーイング)

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