一時はFacebookでよく見かけた「xx診断」的なアプリ。
人気はあったが、「個人情報が狙われている」との指摘も多く、さすがにも最近は下火になってきた。

Twitterではスパムに使われることが多いが、本名や生年月日、学歴、勤め先まで登録する人が多いFacebookでは、この手の「xx診断」アプリが情報収集に使われていると指摘されている。そのため、最近では興味本位で手を出す人は少なくなっている。

そうした中、Facebookで「友だちの再会」というチェーンメールが流行ったのは先週のこと。
テキストだけの投稿がどれくらい拡散するのかという調査だとして、協力するのであれば、
・投稿している人との出会いをコメントする
・自分のウォールに本文をコピー&ペーストする
という2点を行うよう促されるというもの。

直訳のような日本語に違和感を持ちながらも、社会実験であるとする姿勢に協力する人も多く現れた。
が、その日のうちに、チェーンメールの一種と注意をうながす人も出てきて、かなり早い時期に収束した。

◎チェーンメールは問題なのか?
ここで疑問は「チェーンメールは問題なのか?」ということ。

震災などの際に誤った情報を拡散してしまうチェーンメールが迷惑以上の問題であることはわかりやすい。しかし、今回の例は「何が迷惑になるのか」あるいは「危険になるのか」がわかりにくい。

注意をうながす人の多くが指摘するのは、Facebook上で「友だちの再会」というキーワードで容易に検索されてしまう、リスト化されてしまう危険性だ。

一般に基本的な登録情報を公開していれば、そこからすぐにたどれてしまう。プライバシー設定では公開範囲を限定することができるが、大抵、初期設定のまま公開していることが多い。
こうした人の場合、自分のアカウントページに行き着いた人ならだれにでも自分の情報を閲覧できるということになる。

もちろん、今回の「友だちの再会」を始めた人が誰なのか、何のためか?(本当に社会実験のつもりなのか?)、それにより何か不利益を受けることになるのか、真相はわからない。
しかし、このチェーンメールにのった結果、「友だちの再会」の本文を書き込んだ人というリストにつらなってしまうという事実だ。

◎個人情報を守るには「登録しない」しかないのか?
しかしながら、実際には、チェーンメールを介さなくともプライバシー設定において「名前で検索すること」を許可しておくと、誰でも検索するだけで、相手に行き着くことができる。
そして、本気でFacebookで情報収集するのであれば、検索フォームから総当たり攻撃を仕掛ける、くらいのことはすでにしているのではないかという気もする。

となると、本気で防御したいなら不用意な個人情報の登録、検索の可否などを、まずは再検討する必要があるのかもしれない。ただ、多くの人とつながろうというFacebookやSNSの基本と矛盾するとともに、サービスそのものが不便になる。

この手の話になると、結論はたいてい同じなのだが、
どこまで便利に、容易に機能を享受するかという「利便性」
どのくらい日々注意を払って過ごすのかという「対セキュリティへの意識」
この2つの間のバランス、綱引きになる。

利便性を排除して囲いを作ったところで、所詮は完璧であろうはずもない。
個人的には、ある程度の利便性を活かしたまま、ネットに潜む危険に対する意識をどこか頭の片隅に置いておくという対処のほうがベターなのではないかと思う。

診断系アプリが早々に「危ない」とされて下火になって来たことで、何か別の方法で情報を収集しようという動きが出て来るのは当然だし、その選択肢としてチェーンメールが使われるというのは十分あり得る手だ。


大内孝子