映画『ぼく明日』主演・福士蒼汰が語る、実写化作品を演じることの難しさ

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ベストセラー小説『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が実写映画化された。主演・福士蒼汰が、本作の制作秘話、役作りの難しさ、共演者・東出昌大とのエピソードなどを語った。

イ椶明日イ箸いΠ称で親しまれる、時の奇跡と切ないラブストーリーを描いた累計発行部数110万部突破の恋愛小説、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』。この人気作品の実写映画が、10代〜20代の女性を中心に話題を呼んでいる。

その理由は、まず青春恋愛映画の名手と名高い三木孝浩監督がメガホンを取ったということだろう。さらに、主人公・南山高寿役に福士蒼汰、ヒロイン・福寿愛美役に小松菜奈、高寿の同級生役に東出昌大、山田裕貴と今話題の実力派俳優が勢ぞろいした豪華キャストも注目すべき点で、中でも福士蒼汰はこれまで何本もの実写化作品を演じてきた名優だ。

今作では、非現実的な状況に翻弄されながらも愛を育くんでいく20歳男子の心情を見事に演じた福士だが、そこで小説原作ならではの役作りの難しさにも直面したという。今回のインタヴューでは、役と向き合っていく過程や実写化作品を演じるうえでの心構えについて話を聞いた。


(C) 2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

―今作は同名小説の実写化ということで、役のイメージは原作から膨らませていった部分が大きいと思うのですが。

そうですね。僕的には、原作がある作品は難しい部分があると思っていますが、今回は小説原作ということで、多少やりやすさはありました。漫画の場合は大前提として絵があって表情や仕草のイメージが固定されている。その点、小説はその範囲が広いので、自分たちで目に見える部分をある程度新しく作っていけるというところで自由度が高いと思いました。ただ、その分ストライクゾーンが広すぎてどこに投げればストライクが取れるのか、そこを見極めることには難しさを感じました。

―その中で、テ郢街蘯イ箸い人物はどんなイメージで作り上げていったのでしょう。

最初は自分に自信がないというか。挙動不振で、少しナヨッとした男の子(笑)。でも、突発的な勇気はあるんです。いきなり愛美にグ賁楾れしましたイ噺世Δ箸海蹐ら映画は始まるんですけど、実際にそれが出来る人ってなかなかいない気がします。そういう部分から、実は隠れた強さも持っている男性なんだなと思いました。

―今作では役作りの段階から、三木監督がそれぞれのキャラクターごとのイメージでサウンドトラックを作ってくれていたとか。

そうなんです。監督と初めて会った日に10曲くらい入ったCDをもらって。内容は歌がある曲、ない曲、いろいろなタイプのものが入っていたんですけど、全部透き通った感じのする音楽で、そこから高寿のイメージはなんとなく伝わってきました。さらにその後お手紙もいただいて、そこにイ海虜酩覆蝋蘯の成長物語でもあるから、そのグラデーションと暖かさを感じるような作品にしたいイ判颪い討△辰董そうやって丁寧に伝えていただいたので、役の全体像は撮影前からなんとなく掴めていました。


(C) 2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

―実際に演じる上で、特に意識した部分ってありますか?

やっぱり、高寿が成長していく過程でしょうか。そこは自分の中でかなり意識したところです。あとは、設定が複雑な物語なので、その複雑さをどれだけ自然に観てもらえるかというところが大きなポイントだったと思います。

―具体的に、その複雑さをどのようにクリアさせていったのでしょうか。

僕がお芝居のうえで実際にやったことで言うと、全体のお芝居のトーンを日常レベルまで落とすようにしました。そもそも高寿は非現実的な状況を受け入れなければならないわけで、その感情をリアルに表現するには、すべての物事に対して大げさにし過ぎないというか、強いリアクションよりも、日常レベルのリアルな反応の方がいいと思ったんです。

―リアルな日常のやり取りを表現するのに、福寿愛美役の小松菜奈さんとは何かコミュニケーションをとったりしましたか?

小松さんって、すごく末っ子気質なんです。最初は少し壁があって、まずは相手を観察して、その観察が終わって大丈夫だと判断すると途端に仲良くなるんです。僕も末っ子なので、そういう部分はすごく分かりますし、仲良くなりやすかったですけど、結局たいした話はしていないです(笑)。毎日他愛もない話をしていました。ただ、京都という普段住んでいる場所ではないところで毎日一緒に撮影していて、同じ空気感の中にいられたので、そういった部分で共演者の方と打ち解けるのは早かったと思います。


写真左から山田裕貴、福士蒼汰、小松菜奈、東出昌大 (C) 2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

―同級生の上山正一役、東出昌大さんとのやり取りもすごく自然に感じられました。

結構インタヴューでそれを聞かれるんですけど、実は今回東出さんとは初めて一緒にお芝居をしたんです。撮影も一緒だったのは一週間くらいでしたが、そのわりにはすぐに仲良くなれたと思います。初日に東出さんがテ欝蘋犬量鬚世ら敬語をなくそうイ噺世辰討ださって、撮影後にご飯に行ったりもできました。

―実際の友達とのやり取りもあんな感じですか?

そうですね。僕、仲の良い友達に甘えるタイプなんです(笑)。東出さんは包容力があって優しい方なので、甘えやすいというか。なので、そういう自分が持っている面を高寿という役にすり合わせていった感じです。

―ところで、最初に実写化作品の難しさについてお話されていましたけど、原作のイメージに結構引っ張られたりするものですか?

自分も漫画とか好きだから観る側の気持ちも分かりますし、原作のイメージを壊したくないと思うので、いつもどれだけ原作に近づけつつ実写の良さを出せるか、考えています。


(C) 2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

―思い切って原作を読まないという選択肢もあると思うんです。

僕は、そこは絶対に知っておきたいです。原作自体はもちろん、それに付随したアニメだったり舞台だったり、そういうものはすべて見たいです。それで、その作品がなぜ人気があるのか、その本質を掴みたいというか。それを知ることは作品の核の部分と繋がってくると思うので。

―今回の場合はどうでしょう。エピソードで言うと、どこが一番核に近い部分だと思います?

やっぱり、すべてを知った瞬間です。最初に原作を読んだ時はイ鵝イ隼廚辰董ゲ燭どういうこと?イ函でも、それを理解した途端に、自然と涙が出てきて。愛美が高寿を幸せにするために隠していたこと、泣いていた理由とか、それでも笑顔でいてくれた理由が分かった瞬間にあらためて愛美のすごさを思い知る。映画ではコインランドリーのシーンになりますが、そのシーンは演じていて特に印象深かったです。

―では、福士さんが今作を演じるうえで、一番伝えたかったこととは何ですか?

何となく生きるのではなく、今その瞬間に過ごす相手とか、そういった日常の些細なことにも意味を感じながら生きていくことの大切さ、でしょうか。


(C) 2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

―この作品は高寿の成長物語でもあると仰っていましたが、彼はその後どのように成長していくと思いますか?

愛美と大切な時を過ごしたことで、時間をしっかりと感じながら生きる人になると思います。僕自身もこの作品に出会ったことで、誰とどういった時間を過ごすのかということを以前よりも意識するようになったので、これからこの作品に触れる人にも、そういったことを改めて考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。


(C) 2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

SOTA FUKUSHI
福士蒼汰 1993年5月3日、東京都生まれ。2011年にデビュー後『仮面ライダーフォーゼ』の主演に抜擢され、以降数多くのドラマや映画に出演。2015年には第38回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な映画出演作は『図書館戦争』『江ノ島プリズム』(13)、『好きっていいなよ。』『イン・ザ・ヒーロー』『神さまの言うとおり』(14)、『ストロボ・エッジ』『図書館戦争 THE LAST MISSION』(15)など。2017年には『無限の住人』『ちょっと今から仕事やめてくる』、2018年には『曇天に笑う』『BLEACH』の公開も予定されている。
http://www.ken-on.co.jp/fukushi/

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
監督/三木孝浩
出演/福士蒼汰、小松菜奈ほか
12月17日(土)より、全国ロードショー
http://www.bokuasu-movie.com/