三井住友アセットマネジメントが設定・運用している「YOURMIRAI ワールド・リゾート」が、今臨時国会で統合型リゾート施設(IR)整備推進法案(カジノ法案)成立を受けて注目を集めている。同ファンドは、2014年当時の日本政府の動向や臨時国会でIR推進法案が議論となったことから、同法案の近い将来の成立を確信し、2014年8月に設定したという。当時も注目を集めた経緯があったが、今回のIR推進法案の成立を受けて再び脚光を浴びることとなった。同ファンドについて、商品・マーケティングを企画した三井住友アセットマネジメントのオンラインマーケティング部長 宗正彰氏(写真)に聞いた。

――IR推進法案が成立し、「YOURMIRAI ワールド・リゾート」が再び注目されているが、実際の反響は?

 IRを投資テーマにしたオンリーワンのファンドとして「YOURMIRAI ワールド・リゾート」について販売会社からの問い合わせが増えている。現在の販社はネット証券を中心とした9社だが、銀行からの問い合わせもあり、連日のように商品説明にうかがっている。

 今回成立した「IR推進法案」は基本法なので、実際に国内にカジノなどが設置されるまでには、今後1年を目途に提出される「IR実施法案」によって、規制や依存症対策などを盛り込んだ法律が成立する必要がある。ただ、法案成立によって「日本でカジノ」というのが一挙に現実味をおびてきたと言える。

――過去2年間に1万口あたり1300円の分配金を出すなど、運用成績もしっかりしている。ファンドの運用の特徴は?

 当ファンドは、日本を含む世界の株式等の中から、「IR(統合型リゾート)」「テーマパーク・ホテル」「旅行者の移動・消費の拡大」を投資テーマにしている。IRはカジノだけではなく、国際会議場やホテル、ショッピングモールなどが一体となった地域の複合型観光・商業施設のことだ。日本でカジノ設置の候補地といわれる横浜みなとみらいなどは、すでに国際会議場・展示場などの大型商業施設があり、そこに、カジノを併設する構想になっている。カジノによって地域ランドマークを活性化させようという意図がある。

 このような統合型リゾート施設を全国に設置することによって、地方経済の活性化につなげたいというのが、新法がめざしていることだと理解している。したがって、関連産業は幅広い。

 また、国内では海外からの旅行者の増大によるインバウンド消費が話題になるが、旅行者のニーズは「爆買い」に代表されるモノ消費から、参加型イベントなどのコト消費に移ってきている。海外からの旅行者ニーズに「夜の時間を過ごす場所がない」という声もあり、カジノ施設はインバウンド消費を一段と活性化させる期待もある。

 このようなリゾート関連市場の拡大は、当ファンドの運用にとっては大きな追い風になると期待される。関連法案の成立によって話題を集めているが、当ファンドでは全国に10カ所程度のIR設置や、国際観光産業の振興も含め、中期的な投資テーマとしてIRを位置づけて注目している。

――「IR推進法案」の成立によって、ファンドの運用に変化は?

 カジノ関連の事業は、日本にはカジノ運営会社こそないものの、スロットマシンや事業運営システムなど関連機器や技術を海外のカジノに輸出している例は多い。また、ファンドで投資するIR以外のテーマに関連する日本企業もあり、11月30日現在で組入れ比率は地域別で日本は第2位(21.3%)になっている。今後、国内でカジノ運営が始まることになれば、日本で関連産業の成長も見込まれるため、日本の組入れ比率は高まる方向と考えられる。

 「カジノ法案」は、日本にこれまでなかった産業を新たに創りだすという効果が期待され、関連する企業には大きなインパクトがある。ただ、関連産業が幅広く存在するために、個人の力で関連企業を調べ、業績へのインパクトを分析していくことは難しいと思う。そこで、運用の専門家が企業を調査し、かつ、ファンドによってIRに関連する企業に幅広く分散投資したポートフォリオを提供することの意味があると考える。

 ファンドは「三井住友アセットマネジメント YOURMIRAI」シリーズの一つで、オンラインチャネルを中心に拡大してきたが、今後はネット専業販社のみならず、ネットを通じた投信販売に積極的に取り組む証券会社や地方銀行にも販社として働きかけていきたい。多くの販社で取り扱っていただき、日本で開けるIR関連産業の大きな成長に投資する機会を幅広く提供したい。