底堅い「公共株投信」と注目の「ラップ型投信」、 長期で大幅な値上がり益を期待できるか? 中長期での運用が目的なら実績のある投信に分散を!

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ダイヤモンド・ザイでは、ザイ読者10人の保有する投資信託が「いい投資信託」なのか「悪い投資信託」なのか、プロに診断してもらう特集『行列ができる投信診断室』を掲載。診断してくれたのは、長年投資信託に携わってきた経験を活かし、投資信託を評価するデータベース「ファンド・ラボ」を開発した「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さん。今回は、「自分の保有投信の成績が、指数に負け続けていることが悩み」という読者への診断を抜粋して紹介しよう!

★保有投資信託に不安を感じる読者・宮下さん
宮下憲一さん仮名・熊本県・37歳
長期での大幅増を目指して、高配当利回りな「公益株(電力・ガスなどの公共サービスを提供する企業の株)」を組み入れたファンドと、最近人気の「ラップ型」投信で運用。


★宮下さんが保有する投資信託
◎「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)
◎「三菱UFJバランス・イノベーション株式重視型」(愛称:「ファーストラップ(ささえ)」)

宮下さんの保有銘柄の診断結果(1)
⇒「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」
(保有額の56%)

「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」は、先進国の高配当株に投資する毎月分配型で、純資産も6000億円台。先進国株式の指数を下回る成績なのは、配当利回り狙いの電力やガスなどの公益セクターに約70%投資しているからです。

 この投信は基準価額の底堅さを期待している人向けで、中長期の値上がり益を期待する人には不向きでしょう。投資する業種が限定的で、しかも、先進国の高配当株型の中でも成績は下位です。

 加えて、投信の利子・配当収入の利回りが2.8%にすぎないのに対して、基準価額に対する1年間の分配金の割合は15.6%と高く、2ケタの値上がり益がなければ分配水準を維持できない状況です。今後も今の分配金を出し続けると、基準価額の下落が続くことになるでしょう。

 30代の宮下さんが中長期で大きな値上がりを狙うのであれば、配当を狙う公益株中心の毎月分配型に投資するのは疑問です。むしろ、長期で好成績の実績がある成長株型を選ぶべきだと思います。

宮下さんの保有銘柄の診断結果(2)
「ファーストラップ(ささえ)」(保有額の44%)

「ファーストラップ(ささえ)」の正式名は「三菱UFJバランス・イノベーション株式重視型」。愛称に「ラップ」という名前がついているとおり、資産配分を市況に応じて変動させる柔軟な運用が特徴で、2015年秋には株式の組み入れをゼロにするなど、大きく配分を変更させています。

(※ラップ型投信の解説はこちら⇒今個人投資家に大人気のラップ型投資信託は本当に買っていいのか、悪いのか!?)

「ファーストラップ(ささえ)」の過去1年の成績は、同タイプ内で121本中42位とまあまあの順位です。まだ実績が短く、5年経過時点での実績で見極めるのもあり。今後、大きな下落相場で適切な配分変更が可能かに注目です。

ポートフォリオの診断結果は…
中長期での値上がり益を狙うなら
実績のある投信を選んで分散を!

 保有銘柄の1本は配当を狙う公益株型で、1本はまだ実績の短いラップ型投信。公益株型はそもそも大きな値上がりを狙うものではないうえ、分配金の払い過ぎにも注意が必要です。

 また、資産が急増しているラップ型投信も、まだ実績がなく、実力は未知数。一部の資産で試すのはありですが、長期で資産を増やすには今はまだ適しません。長期で好成績の実績がある投信に資産を分散させるのが王道なのです。

さまざまな投信に関するお悩みをズバリ診断!
ダイヤモンド・ザイ1月号の「投信診断室」をチェック

 今回は「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」と「ファーストラップ(ささえ)」で運用している宮下さんの例を紹介した。ダイヤモンド・ザイの「行列ができる投信診断室」特集では、宮下さんを含め、10人の悩める投資信託保有者の診断を紹介している。話題の投資信託20銘柄以上を診断しているので、投資信託の運用に悩んでいる人、これからの投資対象を見つけたい人は、是非チェックしてみてほしい。

 また、現在今回診断をしてくださった「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さんが解説する『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ザイと投資信託の窓口が作った投資信託のワナ50&真実50』も発売中!全国の書店やアマゾン、楽天ブックスなどで、ぜひチェックを!