授乳期の女性が気になる胸のしこり(shutterstock.com)

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 弁護士でタレントの大渕愛子さんが自身のブログで、出産後にできた右胸のしこりが腫れ、母乳外来を受診したことを明かした。

 ブログ(12月13日)によると、胸の外側にできた「硬いゴリゴリ」が、右だけみるみる硬くなってパンパンに。さらに脇の下まで腫れ上がり、生まれたばかりの赤ちゃんも硬くなった右胸を吸いたがらなくなってしまったという。

 このままでは「乳腺炎」になるかもしれないと危惧して、母乳外来の受診を早めたという報告だった。

 大渕さんが懸念した乳腺炎とは、細菌感染による乳腺の炎症のこと。発熱・痛み・腫れなどを引き起こす。ときにはしこりも見られ、ひどくなると乳頭から膿が出ることもある。

 乳腺炎が起こりやすいのは授乳期で、原因としては母乳の流れが悪くなって細菌感染を起こしたり、赤ちゃんが乳頭を傷つけたりすることなどが挙げられる。

 もし、乳腺炎が原因で母乳の流れが悪くなっていたら、まず搾乳をするなどして流れをよくする。それでも炎症がひどくなったら、いったん授乳をやめて、抗生物質などの薬で治療するのが一般的だ。

 もちろん、治療中に搾乳した乳汁は、細菌や薬の成分を含んでいることがあるので、赤ちゃんに与えられない。
小林麻央さんも乳腺炎と誤診?

 授乳期には注意が必要な乳腺炎。<胸のしこり>といえば、共通項から「乳がん」疑ってしまうことがあるかもしれない。

 反対に、乳腺炎を疑って診察を受けたら乳がんが発見された、というならケガの功名だが、乳がんなのに乳腺炎と誤診されてしまうケースもある。

 乳がんで闘病しているフリーアナウンサーの小林麻央さんは、授乳中のしこりが気になって医療機関を受診したところ、医師から乳腺炎と診断されて、がんの発見が遅れたことを明かしている。
 
 乳がんは例外的に、<自分でさわる>ことで発見できるがんだ。しかし、実際には、専門医による緻密な画像診断が必要になる。

 小林麻央さんをはじめ、タレントの北斗晶さん、女優の南果歩さんなど、今年だけでも多くの有名人が乳がんを公表し、闘病体験を語っている。女性にとっては、乳がんを身近な病気として意識した一年だったかもしれない。

 「乳がんかもしれない......」と不安を感じて受診した結果、乳腺炎と診断されればひとまず安心だろうが、もし1カ月程度たっても症状が収まらない場合は、再度の受診か、ほかの医療機関でセカンドオピニオンを求めたほうがいいかもしれない。

 ちなみに大渕さんの場合は、その後更新したブログ(12月13日)で、次のような診断結果を報告。ひと安心したようだ。

 「退院し、それまでと環境が変わり、リラックス状態になったことで、ホルモンがたくさん分泌されて、胸が突然張ってくることがある。右胸のゴリゴリの原因は詰まりやすい乳腺があるためだが、今のところ完全には詰まっておらず、すぐに乳腺炎になることはない」

 だが、乳がん患者の100人に1人は妊娠・授乳期に見つかっているというデータもある。

 妊娠・授乳期は、乳腺が発達して発見しにくいのに加え、妊娠に伴うホルモン環境の変化もあり、腫瘍があった場合は悪性化しやすいともいわれている。大切な乳房と生命を守るためにも、気になる症状があれば早めの受診を心がけたい。
(文=編集部)