「お蔵出し映画祭」でグランプリと観客賞をダブル受賞

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 女優の小西真奈美と俳優の吉沢悠が12月15日、映画「トマトのしずく」の都内での試写会で上映前に舞台挨拶を行った。

 撮影は2010年に行われ翌年には完成したが公開する機会に恵まれず、昨年の「お蔵出し映画祭」でグランプリと観客賞をダブル受賞したことがきっかけで道が開けた作品。それだけに小西は、「脚本が本当に素晴らしく、すぐにやりたいと思った。あらためて見ても、自分で出ていながらいい映画だなあと思える。観客賞は、たくさんの方の心に届いたということだからうれしかった」と笑顔をはじけさせた。

 榊英雄監督が自分と父親の関係をモチーフに脚本を書き下ろした、疎遠だった父親と再会した娘がその愛の深さに気づくまでを丁寧につむぐ物語で「監督の姿勢を見て生半可な気持ちではダメだと思い、クランクアップまで、撮影がない時も気持ちを切らさないようにしていた」と述懐。その父親は石橋蓮司が演じており、「怖い方だったらどうしようと思ったけれど、すごく優しくてチャーミングな方。父親の何ともいえない切なさにすごく感動して、映画を見ていて抱きしめたい気持ちになりました」とうれしそうに明かした。

 一方、小西の夫役の吉沢も「家族の話なのでどなたでも共感できる部分があるし、僕の妻が父親と確執があったので感情移入しやすかった」と説明。「監督が要所要所で絶対に公開させるからと言っていた情熱で、6年間熟成させたと思うと感慨深い」としみじみ語った。

 さ細なケンカをしたまま父親が他界したことが心残りだったという榊監督は、「現実で言えなかったことを、小西さんに託した。自分のプロダクションの第1回作品でもあり、思い入れが深い。公開できることが本当にうれしい」と感無量の面持ち。そして、「小さなかわいい作品ですが、僕の原点。どうしたらいいかもがきながら撮ったけれど、その結果はスクリーンに残っていると思う」と言葉に力を込めた。

 「トマトのしずく」は2017年1月14日、東京・渋谷シネパレスほか全国で順次公開される。