Inc.:エクササイズがメンタルヘルスや幸福感に大いに貢献すること、つまり幸福感と身体的活動には強い関連性があることが科学的に実証されています。

しかし、その2つがどのように結びついているのかはわかっていませんでした。エクササイズをするとメンタルヘルスにポジティブな影響を与えるので幸福感が高まるのでしょうか。それとも、もともと幸福な人の方がエクササイズをする可能性が高いので、結果的に脳の幸福感と健康が高まった状態が長く維持されるのでしょうか。この謎を究明するために長い歳月を費やしてきた科学者たちがいます。チャップマン大学の研究班が11年にわたって行った研究調査の結果、高齢になっても活動的な人たちの脳の中ではどんなことが起こっているか明らかになりました。

その研究調査は、約1万人の50歳以上の成人の身体的活動レベルを検証しました。11年にわたり、被験者は自分の身体的活動を高、中、低、下位のどれかにレーティンし続け、研究班は被験者の身体的活動とメンタルヘルスや幸福感のレベルを比較したのです。

メンタルヘルスが良好なほど活動的になる


研究調査のスタート時点でメンタルヘルスが良好な被験者ほど調査の過程を通して身体的にも活動的であり続けることがわかりました。さらに、もともと活動的でメンタルヘルスが良好な被験者は、年齢を重ねても活動的なままでした。

研究班がこのグループの研究に特に興味を持っていたのは次のような理由からでした。原則として、活動的でいる期間が長いほど、寿命が長くなる可能性が高くなります。中高年以降に体を良く動かすと、心疾患のリスクが低くなり、認知能力が向上し、健康寿命が長くなります。そのため、研究班は高齢者層が身体的に活動的であり続けるためには何がベストのモチベーションなのかをこの研究で究明したいと思ったのです。

結論は、高齢の患者のメンタルヘルスに留意して幸福感を高めることが、長寿時代における最善の予防措置になるということです。これに基づき、同研究の主任著者、Julia Boehm博士は、患者のメンタルヘルスを向上させることで、幸福感が高まるのみならず、自然に身体的活動レベルも高まるという、二重の効果が出るとしています。

この研究結果は、まずメンタルヘルスが良好であってこそ、身体的活動性が高くなることを示唆しています。ということは、メンタルヘルスを向上させると、体を活発に動かすようになると言えます。ひいては、高齢化社会の大部分の人々の体の健康状態も向上することになります。


Why Some People Like Exercise and Others Don't: Because Happiness | Inc.

Betsy Mikel(訳:春野ユリ)
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