By Simon Yeo

アカデミー賞候補にも挙がったことがある映画製作者やフォトジャーナリストの団体が、キヤノンやニコン、ソニーなどのカメラメーカーに対して「撮影したデータを暗号化して保護する機能を純正で搭載してほしい」とする要望を訴えかけています。

Over 150 filmmakers and photojournalists call on major camera manufacturers to build encryption into their cameras

https://freedom.press/news/over-150-filmmakers-and-photojournalists-call-major-camera-manufacturers-build-encryption-their-cameras/

この訴えを起こしたのは「Freedom of the Press Foundation(報道の自由財団)」と呼ばれる団体で、メンバーには巨大企業・エンロンの崩壊を描いた「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」でアカデミー賞を獲得したアレックス・ギブニー監督や、映画監督で同じくアカデミー作品を作成したローラ・ポイトラス監督など、15人のアカデミー級監督を含む、総勢150人以上の映画関係者やジャーナリストが名を連ねています。

今回要望を送ったメンバーのようなドキュメンタリー映画製作者や戦場カメラマンの多くは、世界でも最も危険な現場に足を運んで現地の生の様子を伝えることを使命としています。そのため、世界に報じられると都合の悪い情報を隠すべく、国境警備員や警察、諜報機関やテロリストなど、さまざまな方向からの圧力を受けることがあるとのこと。場合によっては身柄を拘束されたり、撮影機材を没収されたりすることもあり、その際には撮影したデータがいとも簡単に抜き取られてしまうことも少なくないとのこと。



By jeanbaptisteparis

そして、その原因となっているのが、カメラの記録メディアの中に無防備な状態で保存されている写真データであると、財団は主張しています。ジャーナリストの権利を守り、世界各国の言論弾圧を監視する目的で創設・運営されている非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」はそのような状況について「フォトジャーナリストのカメラを没収するという行為は、彼らを黙らせ、萎縮させるためのあからさまな方法であり、そのような行為は非常に多く行われているため、現実的に全てを把握するのは難しい状況です。悲しい現実として、現地の様子を捉え、つぶさに観察しているフォトジャーナリストは常に標的となる存在であるにもかかわらず、彼らの機材や写真を保護する方法はほとんどありません」と指摘しています。

すでに世の中には撮影した写真を暗号化して保護している機材が存在します。それは、多くの人が手にしているスマートフォンです。iPhoneやAndroid端末で撮影された写真データは暗号化され、ロックした本人以外が容易にその中身を見ることはできない仕組みが取り入れられています。また、WindowsやMacでも設定によってデータを暗号化して保護することが可能です。にもかかわらず、現在市販されているカメラは、例えプロ向けの機材であっても暗号化機能が一切搭載されていない状況に対し、150人を超えるジャーナリストが声をあげています。

財団では、以下の要望書をキヤノン、ニコン、ソニー、富士フイルム、オリンパスの各社に送付しているとのことです。

Camera Encryption Letter