驚きの研究結果が発表されました

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"家に染みついた不快なニオイで集中力が下がる"という驚きの研究結果が、2016年12月13日、P&Gから発表されました。

「家庭のニオイと子どもの集中力に関する研究結果と対策」記者発表会で、その詳細が説明されました。

ニオイを感じていなくても集中力が下がっていた!

P&Gと共同で実験・研究を行ったのは、杏林大学名誉教授で精神科医の古賀良彦先生と臭気判定士の富樫真生先生。

富樫先生は20世帯以上の家庭を訪問し、リビングのニオイを判定。その結果、すべての家庭でニオイがあるという結果が出たそうです。

さらにリビングにあるニオイを分析し、中でも特に不快だと考えられる「(食べ物が酸化した)油臭」「汗臭・体臭」「カビ臭」を「3大不快臭」としてサンプルを作って実験材料にしました。

古賀先生はその3大不快臭を使って、小学4年生から6年生まで96人を対象に「集中力アンケート」「集中力テスト」「脳波測定」の3つの実験を行いました。いずれの実験もニオイの"ある部屋"と"ない部屋"の2つの部屋で同じ内容のテストを行いました。

中でも計算問題を行った「集中力テスト」は興味深い結果となりました。特に差が顕著だったのは「汗臭・体臭」がある場合です。ニオイなしの場合の正答数は平均37.0問。一方ニオイありの場合は34.6問。ニオイなしの状態に比べてなんと、平均で2.4問も正答数が下がったという結果が出ています。

実験に使った「汗臭・体臭」のサンプルが用意されていたので、記者も嗅いでみました。確かにシャーレから直接嗅ぐとニオイは強いものの、空気中に拡散していたら少し時間が経てば鼻が慣れそうなニオイです。

実験に参加した子どもたちも、

「部屋に入ったときは"変なニオイがするな"と思ったけど、テストに集中していたら感じなくなった」

と実験のときを振り返りました。ニオイを感じていないにも関わらず、このように集中力が低下してしまうというのは驚きです。

古賀先生によると、人間は危険ではないと判断したニオイの存在を忘れてしまうそう。しかし、それでも脳には影響があるといいます。細かい説明は省きますが、その影響は脳波の実験結果にも確実に現れていました。

どうすれば不快なニオイを取り除けるのか?

他人のお家にあがったときに「臭いわけではないけど何かニオうな」と感じるけれど、その家に住む人は気づかない、ということよくありますよね。富樫先生がニオイ分析のために訪れた家庭でも「ニオイはしないと思う」と言っていた人が多くいたといいます。

今回の研究結果から、ニオイが気になったときだけでなく日頃から不快なニオイを取り除くことでより集中しやすい環境が作れるともいえますね。

富樫先生によると、不快なニオイの発生源の多くは面積の大きい布製品なので、ファブリーズなどの消臭スプレーを使うのも効果的だそう。2、3回シュッシュとするだけではなく、カーテンやカーペット、ソファなど場合、表面がしっとり湿るくらい(約20回)がしっかり消臭するためのコツです。