子どもと動物。「お茶の間」、に愛される両者がたっぷり味わえる番組が「生き物にサンキュー」(毎週水曜19:00〜)である。

飼い犬や猫が、飼い主の目を盗んでいたずらする映像や、愛くるしいハプニング、ペットと子どもが戯れる日常の一コマが、たっぷりと堪能できるプログラムだ。

運命の野良犬との出会い


12/14の夜も、飼い主にかまってもらいたくて、わざと部屋をちらかして甘えるゴールデンレトリバーや、ティッシュをむしって遊ぶ猫、怒られるとすぐ反省ポーズで許してもらおうとするビーグル犬などの愛くるしさオンパレード。

やっくん(薬丸裕英)や松嶋尚美が、視聴者の子どもと犬(キャバリア・キングチャールズ・スパエル)のシッターをまかされ、一緒に散歩したり、ホットケーキを焼いてあげたり、後半は飼い犬や猫との友情や絆が軸になる。

横浜の小学生の少女が、生まれてからずっときょうだいのように一緒に暮らしてきたとら次郎(猫・スコテッシュ・フィールド)が慢性の腎不全だと判明してからお別れするまでの時間を追った映像。

ドイツのCAオリビアさんの、フライト先のアルゼンチンでの、運命の野良犬との出会い。
ブエノスアイレスの公園でお腹をすかせた野良犬に餌をあげたり遊んだりして楽しそうなオリビアさん。次の日の朝、ホテルの前であの野良犬が待っていた。
2カ月後。ふたたび訪れると毎日その犬が来ているとホテルマンに教えられる。自分では連れて帰るわけにはいかず、愛護保護団体に保護してもらう。だが、野良犬は脱走。またあのホテルの前で待っていますよと連絡を受ける。
オリビアは、ドイツへ連れて帰る決心をする。今は一緒に暮らしているという。


血で血を洗うシーンが連続


さて、ここまでならいつもの良質な家族で楽しい動物番組。

感動映像のあと、司会のチュートリアル徳井が「(後藤)てるもっちゃーん!」と呼びかけると「(徳井)よしみちゃんまかせときー」とフット後藤の「緊急!ニッポンを襲う世界の超S級危険生物 」のスタジオにつながる。
今夜は「生き物にサンキュー」と、「緊急!ニッポンを襲う世界の超S級危険生物 」の生物つながりでの合体スペシャルだったのだ。

そんな説明もさしてないまま、画面には、人食いザメとしてしられるタイガーシャークが鯨を襲う映像が流される。血まみれだ。心には、野良犬と人の交流の残像がまだあたたかい。
続いて、噛み殺されて穴だらけにされた、ウミガメの映像。金網ごとくくりつけた餌に食らいつき、太い金属パイプごとへし折る映像。
スタジオから「なんじゃこいつ!?」の声。同じ気持ちだ。いや、もっととまどってるよ。

目に毒を吐き掛ける毒吹きコブラに対し、「目が大きい」というだけの理由で、ゴーグルをつけ標的され、リアクション仕事をこなすボビーオロゴンの悲鳴が聞こえてくる。
さっき死にゆく猫に少女が涙を流していた目が、生物にとって有効な急所であることを教えられる。そこに容赦なく猛毒を噴霧するヘビ。
巨大なゴールデンイーグル(イヌワシの仲間)が滑空して60キロものヤギを襲う映像。山岳地帯に響き渡るヤギの悲鳴。そして、的確に連れ去れそうな小柄な少年を狙い空から襲いかかるゴールデンイーグル。大人たちが反撃しても、少年を掴んだまま飛び去ろうとする。
衝撃の映像。
先ほど、薬丸やっくんと接する少年の優しさに心を鷲掴みにされたのに、今度は少年そのものが鷲」に掴まれている。
バタバタと翼を広げ、あばれる様は、プテラノドンに襲われるのび太一行のようだ。

バッファローの子どもの不死身の肉体


他にも、ライオンの群れが、バッファローの群れから強奪したバッファローの子どもを、水辺に突き落としたところでワニに横取りされ、水陸から奪い合う映像とか、その後、勝ったライオンが子どもを屠り始めたところに、バッファローの集団が来襲、ツノで持ち上げられるライオン、、ワニとライオンに綱引きにされ、相当齧られていたのに、わりと元気に親の群れに逃げこむバッファローの子どもの不死身の肉体など、血で血を洗うシーンが連続する。

最後は、箱根・小田原付近で農作物や民家や人間を、襲い被害を拡大する野生のニホンザルを、撃退する一大プロジェクトの中継。ウージー(空気銃)でサルを打ちまくる「箱根町サル追い隊」の活躍。「パパパパパ」という乾いた銃声が市街地に響く。いっときの感情で野良猿に迂闊に餌なんかやったらダメなんだな…と、野良犬とオリビアさんの感動の対面が遠のいていく。

前半のほぐれた気持ちをイーブンか、やや殺伐側にリセットしたところで番組は終了した。
(アライユキコ)