頭に角をつけて運転免許証の写真を撮影した男性(出典:http://hashtagmaine.bangordailynews.com)

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キリスト教が広まる以前のヨーロッパでは自然崇拝、多神教の信仰が存在したが、唯一の神しか認めないキリスト教の到来によりそれまでの宗教は「異教(ペイガニズム)」と呼ばれ抑圧された。しかし現代においても呪術、魔術、占いなどを受け入れる「異教徒(ペイガン)」は存在し、アメリカでも独自の宗教スタイルを貫き実践する人々がいる。そんな中で、ペイガンが崇拝していた“動物の角を頭につけること”にこだわりをもつ男性の話題が米メイン州から飛び込んできた。

「自然こそ崇拝すべき神であり、動物の角は私のペイガニズムの象徴である」という独自の考えを持つメイン州在住のある男性は今年6月、自分の名前を「フェラン・ムーンソング(Phelan MoonSong)」に変更した。身分証明書として新しい名前が記載された運転免許証が必要になったフェランさんは、すぐに同州バンゴー自動車管理局に足を運んでいる。

それから6か月。バンゴー自動車管理局からは待てど暮らせど何の音沙汰もない。痺れを切らしたフェランさんが管理局に電話すると、「あなたの運転免許証の発行は却下されました」という答えが返ってきた。

フェランさんは運転免許証が発行されるまでの過程をこう振り返っている。

「バンゴー自動車管理局では、角をつけたまま写真を撮ってもらいました。撮影が終わった後で事務局から、信仰する宗教と角との関連性を証明する資料を州務長官の事務所まで送るように言われたのは覚えています。」

「しかしいつまでたっても運転免許証が発行されないので、12月になってこちらから連絡してみたところ写真を取り直すように言われました。でもなぜ写真が却下されたのか、その理由を明かしてはもらえませんでした。」

「1週間後、同州ポートランドにある別の自動車管理局に行ってみました。そこでは私の宗教と角との関係をきちんと説明する機会が与えられました。そしてその場で角付きの写真撮影が認められたのです。」

フェランさんはローカル紙『Bangor Daily News』のインタビューに「2007年に参加したカヴンと呼ばれる儀式でペイガンとして目覚めてからというもの、角は私の体の一部になっています。時間はかかりましたが、最終的には私の勝利ということでしょう」と語っている。

バンゴー自動車管理局はこの件に関し「州務長官の事務所や当管理局にも、男性からの資料の提出はなかった」とコメントしているが、米国自動車管理者協会(American Association of Motor Vehicle Administrators)は「顔がはっきりと認識できれば、宗教的な理由で頭にかぶり物をすることは認められています」と述べている。

ちょっと変わった運転免許証の写真と言えば、新興宗教団体「空飛ぶスパゲティモンスター教会」の信者らが、頭にざるをかぶるユニークなスタイルで話題となって久しい。近年は世界中に支部を持ち信者を増やしているものの、写真撮影に関してはこちらもトラブルがつきないようだ。

出典:http://hashtagmaine.bangordailynews.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)