安倍晋三首相は15日、ロシアのプーチン大統領を地元の山口県長門市に迎えて会談する。個人的な信頼関係を築いたと自負する安倍首相は、経済協力をテコに領土問題を動かし、悲願の平和条約締結に道筋をつけたい考え。一方、プーチン大統領は日本の対ロ経済制裁が両国の信頼関係を損なっているなどと主張。両者の認識にずれが見られる中、2日間の会談でどこまで交渉が前進するか見通しにくい状況だ。

 首相だった2009年以来の訪日となるプーチン大統領は、15日午後に専用機で山口県入りする。初日の会談は山間の老舗温泉旅館で行われ、両首脳は周囲に紅葉も残る自然豊かな環境のなかで、領土問題を中心に協議する。

 政府関係者によると、通訳のみを交えた1対1の協議も行われる見通しだ。

 両首脳は平和条約締結を目指す考えでは一致しているものの、前提となる領土問題では溝が深い。安倍首相は経済協力を呼び水に交渉を前進させようとしているが、プーチン大統領は訪日前に読売新聞などとのインタビューに応じ「(日本は)ロシアへの制裁に加わった」と批判。「制裁を受けたまま、どうやって経済関係を新しいより高いレベルに発展させるのか」と語った。

 また、日本が「北方4島の帰属問題を解決し、平和条約を締結するという基本路線に変わりはない」(菅義偉官房長官)のに対し、プーチン大統領は1956年の日ソ共同宣言が条約締結に向けた基礎との認識を示した上で、日本の主張は歯舞諸島と色丹島の引き渡しを明記した共同宣言の「枠を超える」と強調した。

 日ロの共同経済活動についても、ロシアの主権下で行う考えを示しており、日本側の主張とは相容れない。ウシャコフ補佐官は13日の記者会見で「(日ロ間の問題解決は)非常に長い手続きとなり、信頼構築のため慎重な作業が求められると確信している」と語り、今回の会談で大きな進展はないとの認識を示した。