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飲み会が多い年末年始。連日の食べすぎ飲みすぎで、胃や肝臓がお疲れ気味の人も多いのではないだろうか。さらに冬は、ノロウイルスなどのお腹の不調を伴う感染症にも注意しなければならない。

お腹の調子は心身の健康をはかるバロメーターの1つだ。今回は、順天堂大学医学部附属・順天堂医院・総合診療科(便秘外来)教授の小林弘幸医師に、腸内環境を健康に保つコツについてお聞きした。

○お腹の不調を誘発する原因

小林医師は、お腹の不調を誘発する原因として、「自律神経が乱れること」を指摘する。自律神経は、自分の意志で動かしていないヒトのすべての臓器を管理しているところで、体を活発に働かせる「交感神経」と、体をリラックスさせる「副交感神経」から成る。

通常、日中は交感神経が、夜間は副交感神経が活発になるが、気圧の変化やストレス、睡眠不足、暴飲暴食などによって自律神経のバランスが乱れると、さまざまな不調の原因になるという。

内臓(腸)のトラブルもその1つ。自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経のスイッチがうまくいかず、腸の働きが乱れて、便秘が起こることもあるというのだ。

「20代女性の場合、ダイエットや生理前のホルモンの変化などによっても便秘になります。便秘を放置すると、太ったり、吹き出物や体臭・口臭の原因になったり、メンタルに影響してうつ気味になったりと、さまざまな不調が起こる可能性があります。最も大変なのは、大腸がん。男女問わず注意したい病気ですね」。

○腸内環境の乱れをチェック!

腸内環境の乱れが疑われる自覚症状として、小林医師は次のポイントを挙げる。

・お腹が張って食欲がない

・肌荒れや吹き出物などが治りにくい

・イライラ、クヨクヨする、集中力低下が気になる

・疲れが抜けにくい

・ゲップがよく出る

・トイレタイムが長い

・寝つきが悪く、睡眠不足になりがち

・おならが臭くなることが多い

○腸内環境を整える方法

「健康管理の基本は腸内環境を整えること」と話す小林医師。自宅でできる腸内環境を整える方法を教えてくれた。

・便座エクササイズ
便座に浅く腰をかけて、右手で左足首をさわり、次に反対の左手で右足首をさわる。これを交互に繰り返すというもの。大腸がねじれることで刺激が与えられ、お通じ改善が期待できるとのこと。

・朝1杯の水
朝、起き抜けの空腹状態の胃袋に冷たい水を一気に流し込むと、胃が動き始め、胃・大腸反射が起こり、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にするという。

・お風呂の中で、お腹を「の」の字にマッサージする
適度な水圧とお腹を温めることで血行が良くなり、腸への刺激も伝わりやすく効果もアップするとのこと。

・1日2個のキウイフルーツ
キウイフルーツには食物繊維が豊富に含まれる。夜に2個食べるのがおすすめで、腸内環境を良くするビフィズス菌やヨーグルトと一緒に食べると、寝ている間に腸内環境の改善が期待できるとのこと。

「私の便秘外来では、便秘薬はすすめていません。便秘薬に頼りすぎると、余計に症状が悪化してしまうこともあります。食生活や生活習慣を見直し、腸内環境を整えることが大切です。野菜を摂(と)ることが難しければ、手軽に摂れる果物で食物繊維の多い食事を心がけてみましょう」。

一度お腹の調子を崩すと、仕事にもプライベートにも支障をきたしかねない。年末年始のイベントを楽しむためにも、お腹に優しい生活を意識してみてはいかがだろうか。

(須藤妙子)