ウーバーの「自動運転」体験ルポ サンフラシスコ進出の現場

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サンフランシスコでウーバーを呼んだら、自動運転車が迎えにくるかもしれない――。ウーバーは12月14日、ピッツバーグで9月からテスト中の自動運転車のパイロットプログラムをサンフランシスコに拡大すると発表した。

ウーバーの自動運転ソフトのテストバージョンを搭載したボルボのXC90 SUVモデルが乗客を載せて市内を走行する。同社はピッツバーグで2名の従業員が前部座席に同乗し、必要があれば運転操作を行なう環境下でテストを実施してきた。

フォーブス記者も13日にサンフランシスコで体験乗車を行なったが、自動運転中に人間の操作が必要な場面がいくつもあった。交差点付近に人がいる場合や、道路のそばを人が歩いている場合、さらに現状のシステムは車線変更を自動で行わない仕様のため、人間が操作を行なっていた。

ウーバーの担当者は公式ブログで「パイロットプログラムをサンフランシスコに拡大することで、我々のテクノロジーを現実世界で磨きあげていく」と述べた。「ピッツバーグに比べサンフランシスコは自転車が多く、交通量も多く道幅も狭い。ここでテストを重ねることにより技術の向上がもたらされる」

現状でウーバーは自動運転で実際に乗客を運ぶテストを行なう唯一の企業だ。13日にグーグルは自動運転テクノロジー部門をWaymoとして、アルファベット傘下の独立企業としてスピンオフさせることを発表した。人々の間でこのテクノロジーの実現性への疑問も高まりつつある中で、ウーバーの経営陣にはその空気を和らげたい狙いもある。

許可を受けず「独自の法解釈」で始動

今後、サンフランシスコ市内でウーバーを呼べば自動運転車がやってくるケースが誰にも起こりうる。ただし、ユーザーはそれを拒否することも出来る。一部地域では自動運転を行なわず、手動で操作する。

ここで一つ注目すべきはウーバーがカリフォルニア州の規制当局からテスト許可を得ていないことだ。当局は大手自動車メーカーに加えグーグルやテスラ、Zoox 、NextEVといった20以上の企業にテスト許可を与えており、申請費用はわずか150ドルだ。しかし、ウーバーの見解では同社の車両はこの許可が必要ではないという。

ウーバーの広報担当によると同社のテストモデルは自動運転ではあるが、カリフォルニア州の定義する自動運転車には当てはまらない。州は自動運転車を「物理的操作もしくは人間の監視が必要のない状態で走行可能なテクノロジーを備えた車両」と定義している。

ウーバーとしては彼らの車両が自動運転車であると言いたいし、実際に多くの場面では自動運転で運用されている。しかし、当局の規制の下で、正式に自動運転であると宣言することはできない。カリフォルニア州当局はフォーブスの取材に対し、ウーバーが独自の法解釈でテストを実施中であることは認識していると述べた。しかし、この件に関し公式な見解は示していない。