あなたの会社は大丈夫? ブラック企業「7つの真実」

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巷で噂のブラック企業。優良企業の仮面をかぶっていても、裏に回れば真っ黒だったという落とし穴も多数。ブラック企業アナリストの新田龍氏がその実態を暴露します!

■真実1:ブラックが多いのはこの業界!

▼物販系やビジネスホテルは長時間労働で勤務も過酷

ワースト3は飲食、流通、サービスなどの労働集約型産業。女性だと、アパレルや化粧品などの物販系に多いようです。物販系は多くの人が憧れる職業ですが、勤務時間は長く、給料も激安。それでも、本人がやりがいを感じているので辞めるに辞められません。

物販系は社員個人にも売り上げ達成目標(ノルマ)が課せられますが、商品自体に魅力がないと売れませんから、結局、自分で買い取る「自縛営業」の罠(わな)に陥り、身の破滅を招きます。

ビジネスホテルも、宿泊料金が極端に安いところはブラックの可能性大です。ホテルのフロントは長時間勤務が基本で、夜勤も日常。人手不足だと、夜勤の翌日にも昼夜通しのシフトを入れられて鬱(うつ)になるケースがありますね。

■真実2:会社が勝手に給与から「天引き」

▼労災保険、弁償金、罰金などの勝手な天引きは違法!

会社が天引きしていいものは、「税金(所得税、住民税)」「社会保険料」「雇用保険料」の3つだけです。労災保険は会社が払う決まりなのに、勝手に引かれていることがあります。

会社の備品を壊したときの弁償金や、顧客に迷惑をかけたときのおわび代、遅刻したり無断欠勤した際のペナルティーを、「罰金」として天引きするのもブラック企業のやり口。これらは、給与明細に「保証金」「物品購入費」などと書かれていることがあります。

社員旅行の積立金や親睦会費などは、事前に協定を結んで合意していれば天引きしてもOKですが、勝手にやるのは違法行為。制服の代金やクリーニング代なども、就業規則で社員負担と明記されていなければ取られ損です。

■真実3:基本給が低すぎて……涙

▼基本給が低いと、努力してもほとんど報われない……

額面の支給額が多くても、基本給部分が低ければ年収はいつまで経っても増えません。例えば、支給額が月20万円でも、「基本給部分12万円、役職手当2万円、みなし残業代50時間6万円」などとなっている場合、査定のベースは12万円です。ボーナスは基本的に「基本給の○カ月分」というように決まるので、基本給部分が少なければ、当然ボーナスも少なくなります。

とはいえ、ボーナスの支給は法律で義務付けられてはいません。求人票に「年2回」とあっても、条件を満たさなければ出ない場合があります。会社の業績に応じて額が決まる「業績連動型」では、社長が適当にボーナスの額を決めるケースもありますので、算定基準を確認しましょう。

■真実4:求人広告はココを見ろ!

▼求人広告の「常連企業」は、逃げ出す人が多い証拠!

まず、求人広告を常に掲載し続けている会社は退職者が多く、ブラックである可能性が大です。「誰でもできる」「未経験者歓迎」といったフレーズが並び、ハードルの低さをアピールしていたら大いに警戒すべきです。

かっこよさを強調するため、「マーケティング」「コンサルティング」などの役職名を使っている会社もあります。これは、後ろめたい仕事を隠したいときによく使われる手。社員数に対して、求人数が異常に多い場合は、入社後のマネジメントが手薄になる不安があります。求人広告以外では、口コミサイトを見る方法もありますが、不満を持つ人が集中的に書き込んだり、ライバル企業が悪評を流している可能性もあるので、うのみにしないように。

■真実5:社長の口癖が○○○○

▼「社員は家族」の甘ったるい言葉に惑わされるな!

「うちは来年上場します」「目標は売り上げ10倍増」などと、根拠も示さずに大風呂敷を広げる社長はヤバイです。また、「夢」「成長」「自己実現」といった抽象的なキーワードを好んで使うタイプも要注意。ブラック企業の社長は、「一緒に最高の仕事をしよう」「仕事で君たちの夢を叶かなえよう」と一見、頼もしいセリフを口にしますが、今まで会社がどんなことをしてきたかまでは語りません。「社員は家族の一員です」と身内感をアピールする社長もNG。

「苦しいときは助け合うべき」と、サービス残業を強要するタイプに多いです。逆に、「顧客満足度は○%」「リピート率は○%」などと、実績を具体的に話す社長は信用できます。あなたの会社の社長はどうでしょうか?

■真実6:みなし残業の恐怖

▼「みなし残業」を悪用するブラックから逃げろ!

みなし残業とは、あらかじめ一定の残業時間を想定したうえで残業代を設定し、基本給と一括で支払うシステム。ブラック企業はこれを悪用し、徹底的に社員をこき使おうとします。例えば「みなし残業代が月50時間で6万円」となっていたら、普通は残業時間が50時間に満たなくても、会社は全額を払わなくてはなりません。ところがブラック企業は、「50時間に満たない場合は減額」と確信犯的に迫ります。また、残業時間が規定の時間を超えても「うちはみなし残業だから」と超過分の残業代の支払いを拒みます。この場合は堂々と請求しましょう。意外と知られていませんが、給与が年俸制の場合も、法定労働時間を超えたら、企業は残業代を支払わなければなりません。

■真実7:「だめんず好き」も要注意

▼だめんず好きは、成功体験を増やしてブラックと決別

恋愛で「だめんず(ダメ男)」をつかんでしまう女性は、ブラック企業にはまりやすいタイプでもあります。自分に自信がなく、そのうえ素直で努力家で、責任感も人一倍強いので、相手から「何とかお願い」と頼られると、理不尽な要求にも応じてしまうのです。

もっといい会社で働きたいと内心望んでいても、自分に自信がないだけに一歩前に踏み出せない。そして、ダメな自分を拾ってくれたのが今の会社なんだと恩義を感じ、無駄に尽くしてしまう……。心当たりがある人は、まずは成功体験を一つでも増やし、自己評価を高めることから始めましょう。心身ともに充実し、友人関係に恵まれていれば、ブラック企業ともだめんずとも縁遠い生活を送れるはずです。

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新田 龍
ブラック企業の社員を経て、企業防衛コンサルティング会社を設立。企業への脱ブラックのアドバイス、ブラック企業における労使問題を解決するとともに、大企業のブラックな実態をメディアで告発し続けている。
 

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(木下真之=構成 遠藤素子=撮影)