中国の商務省は10日、国連安保理の経済制裁決議に従い、北朝鮮産の石炭の輸入を11日から一時停止することを発表した。この影響で石炭価格が暴落。北朝鮮の貿易会社は大慌てだと中国在住のデイリーNKの対北朝鮮情報筋が伝えてきた。

情報筋によると、北朝鮮の貿易会社は「国連の制裁は大きな問題にはならなかったから、今回の輸入停止措置もさほど影響がないだろう」と見込んでいたようだ。しかし、中国商務省の公告通り、11日に輸入停止になったため、各社の担当者は非常に当惑しているという。

中国商務省は「10日までに輸送を開始したものや、中国の税関に到着したものは対象外とする」としており、大急ぎで出港し難を逃れた石炭運搬船もあるが、それまでに出港できなかった数多くの船が、北朝鮮の南浦(ナムポ)港で足止めされている。

そして、なんとか中国の港にたどり着いた石炭に、さらなる災難が襲う。

中国の業者により買い叩かれているのだ。情報筋によると、10日に山東省の日照港に着いた石炭は、1トン100ドル(約1万1500円)で売り渡す契約になっていたが、中国の業者が急に「70ドル(約8000円)しか渡せない」と言い出したため、口論となった。持って帰る訳にもいかないため、中国側の提示した条件を泣く泣く受け入れたようだ。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、北朝鮮の石炭産業は対中輸出に大きく依存していたため、今後の混乱が予想されるという。各貿易会社は、輸入停止措置が新年から緩和されることに期待しているが、先行きは不透明だ。

規制が緩和されない場合、北朝鮮の貿易会社は、外国船籍の船舶を使い、原産地、船籍地を偽装して中国に密輸する可能性もあると情報筋は見ている。石炭産業の貿易会社の多くが軍関係で、上部からの執拗な上納金の要求に応えなければならないからだ。

また、北朝鮮当局は、各社の業績を見て、貿易許可証を発行するかどうかを決める。そのため、各社は、密輸をしてでも実績を積もうとするからだ。