監督の話に目をうるませる菅野美穂

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 女優の菅野美穂が14日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われた遊川和彦の初監督映画『恋妻家宮本』完成披露舞台あいさつで、遊川監督が念願かなって監督を務めた思いを熱く語る姿に、感極まり目に涙をためるシーンがあった。

 遊川監督といえば、脚本家としても数々のヒット作を世に送り出しているが、キャストやスタッフに歯に衣着せぬ発言をすることでも知られている人物。「曲げられない女」「幸福の王子」など遊川脚本の作品に出演している菅野もそれを経験している一人で、「脚本家の遊川さんを知っているので、こってりしぼられると思って現場に行ったら、主演の阿部(寛)さんだけではなく、わたしや(相武)紗季ちゃんのシーンまでしっかり見ていただいて『真剣なんだ〜』と思いました」とちょっぴりちゃかしつつも、当時を振り返った。だが遊川監督が、37年前に「映画監督になりたい」と熱い思いを母に伝え、それがいま実現したことを語ると、思わず目に涙を浮かべ「おめでとうございます」と祝福。

 そんな監督の姿に主人公を演じた阿部寛も「いろいろなうわさのある脚本家でしたが、いつかお声がかからないかなと思っていたら、初監督作品でご一緒するなんて」と感慨深い表情を浮かべると、「女王の教室」などで遊川脚本を経験している天海祐希も「監督としてはとても穏やかでした。誰よりも元気で一生懸命だからついていこうと思えるんです」と優しい目で見つめていた。

 そんな遊川監督の思いが詰まった作品だが、監督は「他の作品だといろいろと言えるんですよね。いまだと『湯を沸かすほどの熱い愛』と『この世界の片隅に』がとても良い映画でした。僕の作品もこの二つに負けないように、思いを込めて作りました。観る方が幸せになっていただければいいなと思っています。でももしダメだったら『湯を沸かす』と『この世界』を観てください」と個性的に作品をアピール。

 遊川監督の発言に阿部は「監督の言葉に、公開中の自分が出ている『疾風ロンド』が出てこなかったことにがく然としましたが」と会場を沸かせつつも、「相手を思うことがどれだけ大切なことかを再認識させてくれる作品。いっぱい愛が詰まった作品です」と会場に向けて『恋妻家宮本』をアピールしていた。

 本作は、重松清の小説「ファミレス」を原作に、愛妻家ではなく、妻に恋をする“恋妻家”の夫と妻との大人の夫婦生活を描いた物語。第40回モントリオール世界映画祭で新人監督がノミネートされる「First Films World Competition」部門に出品された。またこの日は相武紗季、富司純子も出席した。(磯部正和)

映画『恋妻家宮本』は2017年1月28日より全国公開