自身初の年間複数回勝利を果たし、賞金ランク3位でシーズンを終えた笠りつ子(撮影:米山聡明)

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今季国内女子ツアーで活躍した注目選手の強さの要因を探る“Playback LPGATour2016”。第2回目は今季2勝を挙げて、日本人最上位の賞金ランク3位に入った笠りつ子をフォーカス。イ・ボミ(韓国)と最後まで賞金女王を争う躍進のシーズンとなったが、笠の強さの秘密をツアープロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。
【連続写真】超レベルターンで体の回転スピードNO.1!笠りつ子のスイング写真(10枚)
笠の凄さを評するワードは“超レベルターンで体の回転スピードNO.1”と辻村氏。レベルターンとは、地面に対して平行に回ることだが、肩や腰が上下しないので、当然スイング軌道が安定する。シンプルに一つの軸を“まるでコマのように”素早く回転しつつ、つねに腕・クラブを体の正面で維持することで安定した力強いショットを放つのが、笠の強みだ。
「ノーコックで手元の動きを最小限に抑えた手打ちとは無縁の回転スイング…彼女はスイングを難しく考えないタイプですね。好調維持の理由は“リズム・打点・振り切る”と3点だけを考えるシンプル思考にあります。“つねに最後まで振り切る”意識が回転スピードを生み出しているのです(辻村氏)」
手元と体の距離を変えることなく、切り返しからフィニッシュまで一気に体をターン。回転スピードは速くとも、ミスに繋がる余計な動作が生まれないスイングなのでミート率も非常に高く、ショットが安定するというわけだ。今季、ドライバーの飛距離が大幅に伸びたのもスイングに磨きがかかっている証拠と言えるだろう。“スイングのシンプル化”ができれば、あとはアドレス時の方向性の管理のみだが、この部分は練習で重点的にチェックしている。
「ボールの前後と出球の向き…アドレス時のツマ先のラインと平行に、3本のスティックを置き、体のアライメントと出球のチェックをする練習は1年を通して取り組んでいました。彼女はオンとオフがしっかりしており、毎週の会場入りもほかの選手より一日遅い。それは取り組むべき課題が見えており、調子のバロメーターチェックを最小限にとどめることができるからです。リフレッシュの時間が確保できるので、一年通してコンディショニングに大きな波を立てずに挑めた。毎週見ていましたが、大崩れする様子は一切見られませんでしたから(辻村氏)」
つねにファンに笑顔を振りまくサービス精神あふれるキャラクターだが、負けん気の強さも人一倍。賞金女王に届きそうなポジションで戦っていたからこそ、シーズン終盤でボミに突き放されたことで、相当の悔しさを持っているはず。
最終戦『リコーカップ』終了後には「この2〜3年が勝負だと思ってオフからやってきましたが、こんなに早く結果として出るとは思わなかった」と充実したシーズンではあったものの、「(来年は)私が背負っていくというか…日本ツアーですし、外国人選手に勝ちたいと思ってやっています。もっともっと技術を磨いていかないと置いていかれてしまうと思う。トレーニングもゴルフの練習ももっとしないと。来年は30歳の節目の年だし、勝負だと思っているので、振り返ったときに“あのときたくさん練習したな”と思えるように特訓します」と語った笠。日頃からアドバイスをもらう男女2人の元賞金王、片山晋呉&古閑美保のエッセンスを取り入れつつ、来季は賞金女王だけを狙って戦っていくことだろう。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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