『逃げ恥』の恋愛法則…オクテな彼のスイッチが入る瞬間

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 今季、大人気のドラマ「逃げ恥」こと『逃げるは恥だが役に立つ』。実は主人公2人の言動の中に、男女がうまくいく法則がいくつも見つけられるんですね。

 ふだんセミナー等で恋愛・性愛についてお話ししている私(櫻祭子/夏目祭子)が、そのヒントをご紹介しましょう。第2弾となる今回は〔第6話編〕をお届けします。

◆指1本触れず、いきなりキス…意味不明な行動

 おそらく『逃げ恥』ファンにとって、第6話ほど謎めいた回はなかったでしょう。何しろ、この回の津崎平匡(ひらまさ・星野源)の行動は、一見すると矛盾のカタマリのように感じられます。
 契約妻で従業員である森山みくり(新垣結衣)と出かけた、表向きは「新婚旅行」、実質は「社員旅行」の宿泊先で、「もしかして、男女の関係を求められるかも?」と期待したみくりを完全放置して、アイマスク+耳栓の完全武装で、同室なのに独り寝をまっとうします。

「もっと近づきたい」思いが完全に自分の独り相撲だったと落ち込むみくりを、さらに裏切る、あまりに唐突な平匡からのファースト・キス。

◆第1の法則:決めたゴールの達成感でハイになる男

「いったいこの男は、何を考えているんだ!?」というはてなマークの嵐が次回まで引き継がれるわけですが、実はこの平匡の行動は、男性のいくつかの心理を考えると「ごく自然な流れ」だったとも読めるのです。

 確かに、宿泊先での平匡の行動は、みくりに「私のことなんて従業員としか思ってないんだ」と思わせるに十分だったでしょう。しかし、平匡の立場からすれば、自ら名づけた「プロの独身」という称号にふさわしく、「肉食獣のような男」とは違って「女性への肉欲などに惑わされない、平穏な自分」を貫くことに意味があったのです。

 男性の心理傾向の一つとして、決められた目的を達成しようとする欲求が強いことが挙げられます。

 その典型的な例が、2004年のバルセロナ五輪の平泳ぎ種目で金メダルを獲得した北島康介選手が勝利インタビューで放ったひと言、「チョー気持ちイイ!」。その年の流行語大賞になりましたが、これこそが達成感により湧き出る快感ホルモンの効果。この強烈な快感が、男性にとっての生き甲斐となりやすいのです。

 そんなわけで、自分で決めた目的を「やりきった」翌朝の平匡は、快い自己肯定感に満たされた「ナチュラル・ハイ」の状態にあったと思われます(次の第7話で平匡が「調子に乗っていた」と反省したのは、これが原因ですね)。

 この点、自己評価が落ちて気分最低なみくりと、そんな女心にはまったく思い至らずに気分上々の平匡との対比は、男女の違いが象徴的に描かれていて、切なくもコミカルでした。

⇒<彼の行動を自然に引き出す2つの法則>
(その1)彼のこだわり目的の行動は、自分が後回しになっても落ち込まず、まずは温かく見守ること。

◆第2の法則:女が無欲になった時、男は行動に転じる

 では、この状況が、どうして衝撃のラスト(平匡からのキス)につながったのか見ていきましょう。

 人間はどんな性別の人でも、「女性性」と「男性性」の両方の要素を持っています。

 「男性性」とは、陰か陽かで分けると「陽」に当たり、自分からグイグイ行動していく、能動的な性質。それに対して「女性性」は「陰」に当たり、自分から動かずじっと待っている受け身な性質と言えます。

 特に恋愛関係では、この陰と陽、「受け」と「能動」がかみ合うとコトが進みやすいのです。

 これまでの二人の関係では、どちらかと言うと、みくりが能動側に立って、平匡を導いてきた感がありました。そのためにみくりは、やや男性的な「陽」の力を発揮してきたのですが、元々決して男性的なキャラではないみくりにとって、ここに来て自分の行動に「空回り感」を覚えて「もう疲れた」となったわけです。

 この時、みくりの心の声
──もう、何もしない── こそが、起動ボタンとなったのです。

 その瞬間、みくりが完全な「受け」である「陰」に徹したことで、平匡の秘められた「陽」の行動力が、自然に発揮されたんですね。その結果が、好きな女性に触れたい衝動のままのキス、となったというわけ。みくりの「無欲」が、結果的に平匡の男性性を引き出した、鮮やかな化学反応だったと言えるでしょう。

⇒<彼の行動を自然に引き出す2つの法則>
(その2)自分の希望や気持ちは正直に伝えた後、もうひと押しの行動は相手に任せてみること。

<TEXT/櫻 祭子/夏目 祭子>

【櫻 祭子/夏目 祭子(さくら/なつめ・まつりこ)】
作家・カウンセラー・「聖なる性」の語り部。一般社団法人「性・愛・命の学び舎」代表理事。心身機能研究家。1999年、自伝小説『ダイエット破り!』でデビュー。主な著書は『なぜ性の真実セクシャルパワーは封印され続けるのか』『太らない人のヒミツ──腸で考え・脳で感じて・美力めざめる』
Webサイト http://www.sei-ai-inochi.jp/