連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第11週「やるべきこと」第62回 12月13日(火)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎


「男の人生ちゅうもんは背負うもんが増えてくる。妻や子供を食わせなあかん。大きな責任をもって生きていかなあかん。その分、強ならな。大きならな。苦しうなるばっかりや。わしもそういう分岐点におるときが一番つらかった。で、つらいと思うとるときはたいてい自分のことしか考えられんようになっとる。強くなるために大きくなるために、変わらなあかん時がある。どっちに行くか、よう考えや」五十八(生瀬勝久)

62話はこんな話


徳子(中村玉緒)の体調が悪いという報告を受け、近江の実家に顔を出すすみれ(芳根京子)や百合(蓮佛美沙子)。姉妹各々の活躍は五十八ほか実家の人たちを喜ばす。
苦しむ紀夫(永山絢斗)は、五十八に助言をもらい、変わろうと努力をはじめる。

なぜか主題歌が2回も


オープニングがエンディングになって盛り上がったのは大河ドラマ「真田丸」44話。
「べっぴんさん」62話では最初と最後に、主題歌・ミスチルの「ヒカリノアトリエ」がかかった。しかも最後はこれまでの名場面集になっていた。
その晩、放送された音楽番組・第16回「わが心の大阪メロディー」の司会が中村玉緒で、ゲストに芳根京子、蓮佛美沙子、菅野美穂が出演したので、音楽を強調してみたのだろうか。
それとも、台本の尺に余裕があったのだろうか。
以前、「あさが来た」のチーフ演出家の西谷真一に取材したとき、13週に台本の尺に余裕があったため、脚本家の大森美香に相談して、新次郎が三味線を長めに弾くシーンが足されたと聞いた(連続テレビ小説『あさが来た』 玉木宏 白岡新次郎と生きた軌跡)ワニブックス より)。台本がカットされてしまうこともあれば、余裕があるときもあるのが人間の仕事。

おもしろ回


主題歌2回のほかにも、遊びがいろいろあった。まず、大急にキアリスの支店ができると聞いて、心浮き立つ悦子様(滝裕可里)たちの登場シーン。ハイスピードカメラを使ったスローモーションでいっそう魅惑的に。キャバレーをやっと辞められる悦子様、良かったね。
近江では、長太郎(本田博太郎)が、相変わらず家長の立場のない様子をユーモラスに演じ、嫁の節子(山村紅葉)と息子の嫁・静子(三倉茉奈)が「あの大急?」と驚く表情にカメラがズームするというなんだかアナクロな演出も。近江の人々、久々に登場するのでこれくらいインパクトがないとね。
忠さん(曾我廼家文童)もこまごまと活躍。

紀夫がヒロインみたい


小さな子供服をきちんと畳む紀夫。
さくらと遊んでいたのに、すみれが帰ってくると寝たふりする紀夫。
朝、すみれが寝ている間に支度して、出かけていく紀夫。
健気な紀夫は、なんだか、すみれよりもヒロインのようで、「ヒカリノアトリエ」が、紀夫への応援歌のように思えてきた。
(木俣冬)