「Thinkstock」より

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 11〜12月にかけ、一段と寒くなってきました。毎年、この時期は寒くなる冬に向けて生命を維持するために、身体は体脂肪をためようと働きます。秋が「食欲の秋」といわれるのは、生物学的には生命維持の対策という意味があるのです。

 しかし、肥満を気にする人は、太りたくないから食べたくなる気持ちにブレーキをかけ、無理に食べないようにされている方もいらっしゃると思います。食べないダイエットは、精神的にもっともつらいといっても過言ではありません。

 では、どうすれば良いでしょうか。

 一番、簡単に取り組めるのは、今はやりの時間栄養学の知識を利用する方法だと思います。糖尿病の患者さんへの食事指導でも、血糖値を安定させる方法として使われているのですが、まったく同じ食事でも、食べるタイミングを変えるだけという方法です。

 たとえば、日本人は、1日3食食べる場合、どうしても朝食が簡単なものになりやすく、夕食が豪華になりがちです。でも、夜に食べるエネルギーは使う時間が限られるため、使えなかったエネルギーは身体に溜まってしまうことになります。

 そこで、1日の食事のエネルギー量はまったく同じでも、夜を少なく、朝を豪華にしてしまうと、時間栄養学的には血糖値にも優しいし、脂肪も溜め込みにくくなるという報告があります。この話を聞いた多くの方が、「朝食をつくるのに、そんなに時間をかけられない」とおっしゃいます。

 では、どうすれば良いでしょうか。それには、とっておきの方法があります。

 それは、夕食の一部を朝食用に残しておく方法です。お箸をつける前に取り分けてしまって、それをいつもの朝食に加えて食べてみてください。1日の摂取エネルギーがまったく同じでも、身体に脂肪が溜まりにくくなるといわれています。

 この方法だと、ご自身が調理にかかわっておられない方でも、取り分けて保存するだけなので、家族に迷惑をかけることなく実践が可能かと思います。

 ただ、朝食摂取の習慣がなく、まったくお腹が空いていないという方もいらっしゃると思います。それは恐らく、夜の食事量が多いか、食べる時間帯が遅すぎるからという可能性があるので、一度、夜の食事量の調整や、食べる時間帯によって内容を変えるような方法を取られることをお勧めします。
(文=森真理/武庫川女子大学国際健康開発研究所講師、管理栄養士)