自動車用のタイヤといえば、ゴムやカーボン、ワイヤーなどを材料に作られていますが、その中で、もっとも比率が多いのは天然ゴムです。

その理由は、天然ゴムの持つ強さとしなやかさに、石油から作る合成ゴムではかなわないからですが、そうした常識が破られることになりそうです。

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ブリヂストンが『分子構造を高度に制御したポリイソプレンゴムの合成に成功』というニュースを発表、中央研究所のメンバーによるプレゼンテーションが行なわれました。

これまではナフサを分解するなどして生まれる「イソプレン」を原料に、触媒反応を利用して合成ゴム(ポリイソプレンゴム)を生み出していますが、その性能は天然ゴムには及ばなかったといいます。しかし、ブリヂストン中央研究所が開発したガドリニウム(Gd)触媒を使った新製法を用いると、天然ゴムに迫る分子構造が可能になるのです。

さらに分子量のばらつきについては天然ゴムを凌駕するレベル。これにより耐久性と省燃費性の両面において、天然ゴム(NR)を超える合成ゴム(IR)が実現できたのです。

ブリヂストンが天然ゴムを超える合成ゴムについて研究しているのは、天然ゴムが農作物であり、安定供給が難しい材料であるからといいます。

前述の通り、タイヤの材料でもっとも使われているのは天然ゴムです。しかし、農作物である以上、量と質の両面においてばらつきが生まれてしまいます。その対策として、ゴムの木の品種改良や病気を防ぐ研究なども行なっているといいますが、天然ゴムを代替できる合成ゴムも研究されてきました。

その結果が、今回発表された成果というわけです。

ところで、本質的にタイヤメーカーというのはゴムの消費者であって、合成ゴムの開発はゴムの素材メーカーが行なうものです。しかし、ブリヂストンは理想のタイヤを安定して作るために合成ゴムの製法レベルから研究しているといいます。

今回のプレゼンテーションでは、新しい合成ゴムをゴムメーカーと共同で商品化につなげたいという意思があることも発表されまた。

その天然ゴムを超える合成ゴムを使った市販タイヤ、登場するのは2020年代とアナウンスされました。

(撮影・文 山本晋也)

ブリヂストンが天然ゴムを超える構造を持つ合成ゴムを生み出すことに成功!(http://clicccar.com/2016/12/14/425913/)