なぜプリウスは今でもニッケル水素バッテリーを使うのか?

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グレードによりリチウムイオンとニッケル水素車がある

ガソリンは液体なので、容器があればそこにそのまま保存することができます。しかし電気は保存するのが難しいんですね。そこで登場するのがバッテリーです。ガソリンの場合、スチールでも樹脂でも、燃料を溜める機能や性能は同じです。

しかしバッテリーの場合、その中身によって大きく変わってきます。それはバッテリーが電気をそのままではなく、何かに変換して貯えているからなんです。

ニッケル水素バッテリーというのは、初代プリウスから使われてきました。比較的安価な金属を使うので、コスト面でもリチウムイオンに対して優位です。

技術的な進歩もあり、性能は高くなっています。高性能とされるリチウムイオンバッテリーですが、単純な性能面、充放電効率やエネルギー密度では文句はありません。しかしデメリットもあります。高価であり、発熱で膨張すること、そしてデリケートなことです。

現行プリウスには、そのリチウムイオンバッテリーとニッケル水素バッテリーの両方が採用されています。上級モデルと燃費スペシャルモデルにリチウムイオンバッテリーが、4WDとスタンダードモデルにニッケル水素バッテリーが採用されています。

ニッケル水素バッテリーは旧型と同じ1.3kWhの容量で、1kgだけ軽量化されています。それに対してリチウムイオンバッテリーは0.75kWhという半分近い容量しかなく、当然重量も約16kg軽量化されています。

リチウムイオンバッテリーのほうが性能が高いので容量は小さくてもいい、ということなのかもしれません。しかしゆっくりと出力していくと、当然ニッケル水素バッテリーのほうが長い時間アシストできるはずです。

また気温が低くなるとリチウムイオンバッテリーは格段に性能が低下しますが、ニッケル水素バッテリーではゆるやかな低下を示すことになります。それで寒冷地で多く販売されるはずの4WDにはニッケル水素バッテリーが組み合わされるわけです。

今後もトヨタはニッケル水素バッテリーを採用し続ける計画です。開発が進むなかで、何か画期的な技術やアイディアが生れる可能性もあります。

(文:岡村神弥)