ジェイミーに恋するディーディー役のステファニア・オーウェン

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 少年時代に米作家J・D・サリンジャーに実際に会った体験が描かれた映画『カミング・スルー・ザ・ライ(原題) / Coming Through the Rye』について、ジェームズ・スティーヴン・サドウィズ監督、アレックス・ウォルフ、ステファニア・オーウェンが、10月13日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。

 アメフトの学生にいじめられていた16歳の文学少年ジェイミー(アレックス)は、ある日、大ファンであるJ・D・サリンジャー(クリス・クーパー)の小説「ライ麦畑でつかまえて」の舞台化の許可を得るために、彼に恋心を寄せるディーディー(ステファニア)と共に、隠遁(いんとん)生活を送るサリンジャーに会いに行く。

 製作経緯についてサドウィズ監督は「これは実話で僕に起きた出来事だ。映画内でサリンジャーに会いに行くまでは、話の85%が僕の実体験で、それ以降の話では99%が僕の実体験になっている。最初に『ライ麦畑でつかまえて』を読んだときは、少年が読むべき作品の中で、主人公がこのような会話をする本を、当時の誰もが読んだことがなかった。まだ少年である主人公が酒を飲み、売春婦を買い、ニューヨークをフラついたりして、それらは当時の僕らには新鮮で、お気に入りの作品となった」と語った。そしてサドウィズ監督は2010年にサリンジャーが亡くなったことで、映画化を決めたそうだ。

 アレックスは、なんと6度のオーディションを経て主役ジェイミーに決まったそうだ。「今作では、僕がほとんど全てのシーンに出演しているから、僕がすべての感情でどのような演技ができるかを見る必要があったのは理解できる」とアレックスは答えたものの、今でも6度のオーディションをしたサドウィズ監督をからかっているそうだ。一方、ステファニアは、共演者アレックスといかに意気投合したか、との質問に「今作はバージニア州で撮影していて、特にすることがなくて、撮影オフもわたしたちは一緒に時間を過ごしていたわ」と振り返った。

 今日でも、「ライ麦畑でつかまえて」が人々に大きな影響を与えていることについて「主人公ホールデン・コールフィールドは、誰もが考えていることを遠慮なく言っていて、誰もが共感が持てるキャラクターなの。そのリアルな感性は、ティーンエイジャーが感じていて、見かけだけの体裁を良くしようとしたものとは違うわ」とステファニアなりの見解を語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)