Inc.:栄養に関するガイドラインを何年か継続して追いかけていると、確実なことは1つだけだとわかってきます。それは、その時々によって「カラダに良い」とされる食べ物が変わる、ということです。ほぼすべての食物が、1度は健康に悪いとされながら、少なくともバランスのとれた、通常の食生活の中で摂取するならばそこまで悪くはなかったと復権を遂げる、その繰り返しなのです。

こうした揺り戻しの対象となった飲食物の1つがコーヒーです。砂糖を入れずに飲むのであれば、飲みすぎで悪影響が出ることはほとんどないという説が出ています。ワインの場合は、節度を持って飲めば、脳に良い効果があると言われています。さらにチョコレートでさえ、子どものころにお母さんに聞かされたほど体に悪い食べ物ではないようです。

しかし、科学の世界では、この手の朗報がまだ足りていないようです。栄養学の新たな研究により、さらにもう1つのおいしい食物がブラックリストから外れようとしています。チーズに寿命を延ばす効果があるかもしれない、という研究結果が発表されたのです。


健康に長生きするためにはチーズを食べるべき?


ギトギトのマカロニ&チーズをむさぼりながら、こんなものを食べていてはコレステロール値がひどいことになると、罪悪感を覚えてきた人もいるでしょう。しかし、学術誌『Nature Medicine』に掲載された新たな研究結果のおかげで、そうした罪悪感を覚えずにチーズを楽しめるようになりました。それどころか、このおいしい一皿が心臓をより健康にし、さらには寿命を延ばしてくれる可能性まであるのです。

この朗報の根拠になっているのが、スペルミジンという化学物質です。これは熟成されたチーズをはじめ、キノコ類や精白していない穀物、さらには名前からも想像がつくように、精液にも含まれています。今回の研究を行ったオーストリアのチームがこの物質を中年のマウスに与えたところ、期待が持てる結果が出たといいます。

「スペルミジンを飲み水に配合して与えたところ、これを飲んだマウスはより長く生きただけでなく、心臓の機能がより健康な状態に保たれたのです」と、この研究論文の共著者、Frank Madeo博士は『Medical Daily』の記事で語っています。

もちろん、この効果が人間でも有効かどうかについては、さらなる検証が必要です。また、仮に効果があるとしても適切な摂取量は不明です。今回の研究を行ったチームは、さらに調査を行う計画ですが、実は今回の研究でも、スペルミジンを人間の長寿と結びつけるさらなる証拠が見つかっているのです。

「研究チームは(中略)800人のイタリア人について、その食生活を調査しました。その結果、スペルミジンの摂取量が多い人では血圧が比較的低く、心不全のリスクが40%下がるほか、その他の心臓血管に関する病気のリスクも低下することがわかったのです」と、イギリスのフリーペーパー『Metro』が報じています。

要するに、朝昼晩と毎食チェダーチーズを食べるような暮らしは決して健康的とは言えませんが、時々大好きなチーズを味わう程度なら、心臓を健康にし、さらには長寿も期待できるというのが、この研究の趣旨なのです。

というわけで、どうぞグリルドチーズサンドで、この素晴らしいニュースを祝ってください。


Eating More Cheese Might Help You Live Longer, New Study Finds|Inc.

Jessica Stillman(訳:長谷 睦/ガリレオ)
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