障がいを持つ3歳児にネット上で残酷な中傷(出典:http://www.wbrc.com)

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SNSを通して感動や喜びが生まれる一方で、拡散される心無い中傷により傷つく人たちも多く存在する。米アラバマ州に暮らすある夫婦は、自身のFacebookに子供の成長過程を写真と共に投稿しているが、ある日それが残酷なインターネット・ミーム(ネットを通じて広がり続ける現象)となって拡散されていたことを知り、激しいショックを受けたという。

アラバマ州のランバーン在住のジェニファー・スミスさんとケンディルさん夫妻の間に息子のグレイソン君が誕生したのは、2013年のことだった。だが夫妻は、生まれたばかりの我が子の異常をすぐに察知した。

グレイソン君は、生後すぐにアトランタにある子供病院へと搬送され検査を受けた結果、複数の障がいや病気を持っていることが判明した。てんかん、水頭症、狭頭症、無呼吸発作、小脳や脳幹の一部が頭蓋骨から脊髄に落ち込んだ状態になるアーノルド・キアリ奇形などを患い、医師からは「12日から2週間しか生きることが出来ないだろう」と宣告された。

心待ちにしていた我が子の誕生も束の間、突然の余命を言い渡された母ジェニファーさんと父ケンディルさんの悲しみは計り知れない。しかしグレイソン君は強靭な生命力で24回もの手術を受け、現在3歳半になった。

夫妻はFacebook「Grayson's Story」を立ち上げ、奇跡とも呼べる息子の成長過程を日々、記録として写真とともにアップしている。ところが先月、ジェニファーさんが数か月前に投稿したグレイソン君がパンプキンを抱えている姿の写真が、インターネット・ミームとなって残酷な形で拡散されていたことに気付いた。

そこには「こういう顔の子供って、親同士がいとこの場合にできるんだよね」という中傷メッセージが添えられてあり、ジェニファーさんは激しいショックを受けたという。

グレイソン君は今も深刻な疾患や障がいを抱えており、いつ何が起きてもおかしくない。そんな状態の子供の写真をからかいの対象にする人がいることに、夫妻は深い悲しみを覚えた。

ジェニファーさんは、米メディア『WBRC Fox6News』に「もし、グレイソンだったらどうするだろうって考えたんです。きっと息子ならそのまま公開し続けるだろうと思いました」と、一時はこのミームのせいでアカウントを閉じてしまおうとさえ思ったが多くのユーザーの励ましもあり、このままグレイソン君の成長を伝えていくことに決めたと語っている。

Facebookに投稿されていた悪意あるミームは、ジェニファーさんが苦情を伝えたことにより現在は削除されている。ジェニファーさんは現在、グレイソン君のインターネット・ミームをシェアした人物を一人一人探し出して写真の削除を依頼しているというが、その道のりは果てしないものだろう。

SNSに公開された写真を使ってインターネット・ミームを作成するというのは誰もが可能であり、それによって誰もが被害者になり得る。そんな危険性をはらんでいるのがSNSだが、可愛い我が子を中傷の対象にされる親の辛さや悲しみは計り知れないだろう。

「私たちは(中傷に)負けません」というジェニファーさんの気持ちが、心無いインターネット・ミームを拡散した人たちに届いてくれることを願うばかりだ。

出典:http://www.wbrc.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)