がんを経験した愛犬のためにバケットリストを作成(出典:http://metro.co.uk)

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余命わずかと知った時、欧米では「バケットリスト」を作成する人がいる。これは「死ぬまでにやっておきたいこと」をたくさんリストアップすることで、余命いくばくもない者の最後の夢を叶えるという試みだ。このほど可愛がっている老犬ががんを経験し、苦しみを共に乗り越えた飼い主が最後まで楽しい思い出を作ろうと、愛犬のための「バケットリスト」を作成し続けていることを英紙『Metro』が伝えている。

ビーグルとグレイハウンドの雑種犬であるデクスター(14歳)は、生後3か月の時に米フロリダ州で有刺鉄線に絡まれていたところを通報され、動物保護シェルターに保護された。当時のデクスターはパルボウイルス感染症にかかっており激しい下痢や発汗、食欲不振という状態であったために、シェルターのスタッフは安楽死させた方がいいと考えたという。

現在ノースカロライナ州に住んでいるシャイロ・クェーラーさんは、その頃フロリダ州で学生をしており「The Humane Society(動物愛護協会)」でボランティア活動を行っていた。保護されたデクスターが安楽死されるとスタッフから聞いたシャイロさんは、ボーイフレンドのビルさんにデクスターを引き取りたいと相談した。

やがて奇跡的に病気から回復したデクスターはシャイロさんに引き取られ、とても健康で幸せに暮らしてきた。ところが2年ほど前からデクスターはよく物にぶつかるようになり、呼んでも反応しないことが多くなった。シャイロさんは愛犬が年老いて来たために、視力や聴覚が衰えているのではないかと心配したという。

その後デクスターは目に潰瘍があることが分かり、80%の視力や聴覚が失われていることが判明した。さらに今年5月には首にピンポン玉サイズのしこりを発見、デクスターは食道がんと診断された。

シャイロさんとビルさんはデクスターの他にも2頭の犬を引き取っており、子供のいない彼らにとって犬はわが子同様だと語る。特にいつも行動を共にしていたデクスターにがんが見つかった時、シャイロさんは悲しみに明け暮れたという。

「たとえ手術が成功したとしても、老いたデクスターがこの先いつまで生きられるかはわからない」―そう考えたシャイロさんはデクスターのために「バケットリスト」を作成することにした。そこには、これまで自分たちに幸せを与え続けてくれたデクスターへのせめてもの恩返しの気持ちが込められていた。

デクスターの手術前日、最初のバケットリストの項目はネクタイを締めてステーキを食べワイングラスに入った水を飲むというものだった。その他、ポップコーンを食べながらの映画鑑賞の一夜を過ごしたり、スターバックスで犬用のカプチーノ(パッパチーノ)などを堪能、またハイキングに出かけたり湖でボート乗船にもチャレンジしたという。

デクスターの手術は無事に成功し、幸いにもその後の治療も必要なく医師には「ひょっとしたらあと2〜3年は生きられるかもしれません」と告げられたそうだ。

5月から始めたバケットリストは33項目あり、そのうちの18項目はすでに体験済みだ。そして現在はシャイロさんだけでなく、友人や家族からもバケットリストへのアイデアが寄せられるという。「バケットリストに制限はありません。ただ私たちはチャレンジし続けていくだけです」とシャイロさんは語る。

デクスターの「最期の時」を迎えるまで、まだまだバケットリストへのチャレンジは続く。今後はピザパーティーにブラインド・デート(会ったことのない相手とデートすること)、セラピー犬としての資格取得、パレードに参加、ビーチで一日を過ごすなど盛りだくさんだ。

「犬は無条件で私たちに愛情を示してくれます。お金や何ものにも代えがたいものをデクスターはこれまで私たちに与えてくれました」と話すシャイロさん。デクスターへの思いはこれからもバケットリストに溢れていくことだろう。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)