いよいよ最終回!「プリンセスメゾン」第8話に登場する沼越幸(森川葵)と井川流(木野花)/(C)NHK

写真拡大

NHK BSプレミアムで放送中の森川葵主演のプレミアムドラマ「プリンセスメゾン」(夜11:15-11:45)が12月13日(火)に最終回を迎える。

【写真を見る】幸(森川葵)と、幸が通うマンションギャラリーの仲間たち/(C)NHK

「女、26歳、居酒屋勤務、結婚の予定なし。でも“家”を買います」というキャッチフレーズがある本作。自分の家を持つことを目標にひたむきに働き貯金する沼越幸(森川)、通称“沼ちゃん”の家探しを、マンションギャリ―に勤める理子(陽月華)や伊達(高橋一生)らが手伝う中で、幸に次第に逆に勇気づけられ、生きる力を取り戻していく物語だ。

本作では挿入歌が効果的に使われている。曲を登場人物が口ずさんだり、ダンスをしたりすることで作品と音楽が溶け合い良さが何倍にもなって跳ね上がるシーンがある。そんな挿入歌とともに本作を第1話から振り返ってみよう。

【第1話 ちあきなおみ「東京砂漠」】幸が店長を務める「居酒屋じんちゃん」を、昼間に幸をモデルルームで案内した理子が偶然訪れたときにかかる曲。理子がじんちゃんから帰るとき、幸が店員の小峰(小園凌央)から「俺らみたいな収入でマンションとか手の届く夢じゃないっすよ。幻っす幻」と言われるが、幸は「努力すればできるかもしれないことを、できもしないって想像だけで決めつけて、やってみもしないで卑屈になっちゃうのはだめだよ」と諭す。

そんな様子を理子は見守り、自宅に帰った後、風呂場で東京砂漠を聞きながら入浴。心配性な母親の留守番電話をかき消すように「東京砂漠」を大熱唱。「『東京砂漠』っていうタイトルが既にロックよね…」とつぶやく理子が色っぽく粋だ。

【第2話 クラムボン「バイタルサイン」】本作を代表する曲といっても過言ではないだろう。第2話はひたすら家購入を目指してきた幸が、立ち止まり自身を見詰め直すことになる回だ。

音楽は、幸がマンション購入を「やり直し」しようと決めたときから流れ始める。居酒屋で働く彼女を見守る理子とマリエ(舞羽美海)、直人(志尊淳)らが、自分たちが幸に自身の希望を託していたことを自覚するシーンを通して音楽は次第に高まっていき、居酒屋からそれぞれが帰路につく中、理子が、マリエが、直人が歩きながら「バイタルサイン」を一人で口ずさむ。

彼らが沼ちゃんによってそれぞれ自分の中に生きている証である“バイタルサイン”を再確認し、これからも生きていくことを静かに決意するような泣けてくるシーンになっている。

【第3話 bloodthirsty butchers「地獄のロッカー」】理子のはじけた姿が曲と共に披露される。音楽はまず、理子が自宅で、プロジェクターを買おうか迷っているシーンで流れ、いよいよプロジェクターを購入した理子がスクリーンで映像と共に音楽を楽しむ。

いつもは知的な理子が叫び飛び跳ねて熱狂するのは、熱いファンだからこそだろう。この回では恋に生きてきたマリエの失恋と再生が描かれるが、恋人の影がない理子の人生も非常に充実していることがうかがえる。

ちなみに理子は、第4話で幸や伊達、マリエや直人とボートに乗ることになったとき、同乗しようとした幸を「私はのんびり一人でいいわ。沼ちゃんは伊達さんとね」と断る筋金入りの一人好きでもある。

【第4話 フジファブリック「茜色の夕日」】仕事人間でクールな伊達が口ずさんだ曲。伊達の素顔がいろいろ判明し、住まいが武蔵小杉でありお気に入りの街であることも、ボートに乗ることを拒否して水が苦手であることも判明。

伊達が不動産営業として新人だった頃の苦い経験も描かれる。伊達は新人の頃、どうしても成約したかったために無理やり家を購入させたのではと心残りがあった客・井川流(木野花)の元を訪ねる。

「この家を買って良かったですか? 本当にこんな広い家必要でしたか?幸せに暮らしていますか?」と感情的に言い募る伊達に流は「幸せよ」と答えてあげるのだ。救われた伊達が、自宅に戻り、ソファで小さな声でこの曲を口ずさむ。ひたむきに自分の家を探す幸のことを思いながら眠りにつく。

リビングテーブルには、幸の家のビジョンがびっしり書かれている紙が置かれており、希望を得た伊達が幸を思い幸のために力を注ぐことを暗示させる一幕になっている。

【第5話 第6話 ピアノ曲】ボーカル入りの曲は出てこず、時折印象的なインスト曲が挿入されている。第5話では、東京に出てきて、「“がわ”だけ手に入れて、空っぽなんだよね」と語るみずえ(冨手麻妙)の心を癒やすようなピアノ曲が印象的に挿入されている。ほかピアニカや木琴のような音も効果的に使用されて全体的に温もりのある音楽が多い印象。

第6話ではピアノ曲がふんだんに使われ、幸が両親を亡くした辛い過去と、親戚のえつ子(深川麻衣)の家に身を寄せたときの過去にクローズアップ。ピアノによるOP曲の繰り返しが効果的に使われ、幸とえつ子のすれ違った過去を解きほぐしていく。

【第7話 くるり「東京」】第6話で一瞬姿を見せたスナック勤務のヨーコ(高山のえみ)が登場し、幸と共にこの曲でダンスをする本作屈指の名シーンに。雨の中でダンボールをかぶっている浮浪者に傘を差し出すヨーコの頭上に、赤い傘を差しだす幸。

ヨーコは幸に、「歩いていく方向しか見えない作りになっているでしょう? 人の体って」と幸に告げ、かつて住んでいた月島にとらわれていた幸に気付きを与える。ヨーコが、幸に“洋介”であると本名を明かしてこの曲をバックに幸とダンスし、口ずさむ。

幸は曲に背中を押されるように雨の中を伊達の元に駆け出していき、今度は伊達が黒い傘で幸を迎える。幸は「戻るんじゃだめなんです」と前向きな決意を伊達に告げ、伊達は受け止めてあげるのだ。

第8話はどのような場面でどんな曲が挿入されるのか、はたまた別の形なのか期待して待たれる。