象に乗るのは動物虐待?タイのボランティア施設で聞いた

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 こんにちは、少女マンガ攻略・解析室室長の和久井香菜子です。

 前回、ボランティアで象さんのお世話をするツアー「エレファントステイ」に参加したお話をしました。ボランティアと言いながら背に乗せてもらうなどの作業を強いており、「ほんとうにそれは動物愛護と言えるのか」という意見もあります。

 その点について、エレファントステイのオーナー、エヴァさんに聞いてみました。

◆象を守るためには資金が必要

「現在、タイの象の生存数は2500頭、絶滅危惧種です。森林や草原などの広大な自然の中で生息しますが、開発のために住む場所を追われ、人と関わらずに生きていくことが難しくなっています。

 象は身体が大きく、非常に力持ちのうえ、たいへん賢い生き物です。そのため数千年前から戦争に駆り出されていました。最近では丸太を切り出し、運ぶ重労働を強いられている象も多くいます。こうした重労働を強いられる象を守ることが必要です」(エヴァさん、以下同じ)

 エヴァさんの施設では、病気になった象や、年を取ってリタイアした象を引き取って保護しているそう。

⇒【写真】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=629831

「重労働を課せられた象たちの寿命は40〜50年ほどですが、ここの象は60年以上生きるものも多く、中には80歳を迎えた象もいました。

 象を保護するのにも資金がかかります。そのために、彼ら自身がお金を稼ぐ手段を得る必要があるのです。タイの人々にも生活があります。お金を稼ぐ手段がなくなったら、象を使役するしかなくなってしまうかもしれません。観光客を背に乗せ、働くことは、資金を稼ぐために必要なことです」

 人間の事情が象に関わることはわかります。でもそれは本当に象にとって幸せなことなのでしょうか。

◆人と心を通わせることは、象にとって幸せ

「もちろん、象が自然の中で自由に生きられる環境があれば、それが最高でしょう。しかしそれは現状、難しいことです。犬が人間と共同生活を送るために、さまざまなしつけが必要なのと同じことです。そして、マフーと呼ばれる象使いたちと、しつけや芸を通して心を通わせることは、象にとって幸せなことだと考えています」

 確かに、施設での生活は、かなり象のコンディションを意識したものでした。到着してすぐに、象の習性や、してはいけないことを徹底的に学びます。印象的だったのは、「あなたたちは、象にとって自分たちの家にやって来たよそ者です。不審者が近づいてきたり、触れてきたら、誰だって恐ろしいと感じるはずです。象と信頼関係を築いているスタッフと同じことができるとは考えないでください」と言われたことです。

 この言葉で、かなりけん制されました。こんなツアーに参加する人たちのこと、黙ってたらワアワア象さんに近づいていって触りまくることでしょう。それが相手にとってストレスだなんて、考えないに違いないです。

◆象の死を目の当たりに

 ところで私たちが到着したその朝、1頭の象が亡くなりました。35歳とまだ若く、前日まで元気にしていたとのことです。「あなたたちに亡くなった象を見せるかどうか悩んだけれど、これが真実なので、ありのままをお見せします。生き物は、産まれ、そして死んでいく。これが事実です」と告げられました。

 その象はスマトラ地震の際、瓦礫が散乱して重機が行けない場所へ代わりに入っていき、何人もの人を助けたのだとか。スタッフの人たちは話をしながら、必死に涙をこらえていましたが、中にはこらえ切れず涙を拭う人たちも。

⇒【写真】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=630147

 正直、象さんと触れ合う前にいきなりこの場面に出くわしたので、そうとうショックでした(この後すぐにマイオウン象さんとの蜜月が始まったので、そのショックはかなり薄れましたが……)。