(写真提供=SPORTS KOREA)

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朴槿恵大統領に対する弾劾訴追案が12月9日、国会で可決された。検察は12月11日、朴大統領が関与した事件として、崔順実(チェ・スンシル)被告が実質支配した財団への大企業に対する出資強要の疑いなど、8件を挙げている。

弾劾訴追案が可決したことで朴大統領の職務は停止されており、今後は憲法裁判所が罷免が妥当かどうかを判断するが、「弾劾審判には6カ月以上かかる」という可能性が指摘されている。

速やかに判断できない“3つの理由”

とある韓国メディアは、元憲法裁判官キム・ジョンデ氏に話を聞いている。

それによると、キム氏は現在の状況を「国会が弾劾決定をしたと国民たちが錯覚しているような気がします。国会は弾劾を決定していません。憲法裁判所に弾劾訴追をしたにすぎません」と話す。

つまり、現状は憲法裁判所による罷免判断の段階に入ったにすぎないということ。憲法第113条1項によると、国会で弾劾訴追案が可決したとしても、憲法裁判所で裁判官9人中6人以上の賛成があって初めて大統領を弾劾できる。

では、実際に朴大統領の弾劾が宣告される時期は、いつ頃となるのだろうか。

現在、韓国では来年の1月や3月初めという声もあるが、キム氏は「難しい点が多い」と指摘する。

その理由は大きく3つ。

まず、「訴追すべき事案が多い」という点だ。

キム氏は具体的な日数を答えていないが、「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の弾劾のときは、とても簡単な事案(1件)でした。それでも60日以上かかりました」と盧武鉉元大統領の例を挙げた。正確には63日後に結論が出て、弾劾訴追は棄却されている。

時間がかかる理由、2つ目は「朴大統領が訴追の内容を否定している」という点。

一般的な裁判と同じように、容疑者が容疑を否認している裁判は時間がかかる。

キム氏は「(朴大統領が容疑を)認める、だから法的な判断だけをしてくれというのであれば、憲法裁判所もなんとか時間をかけずに進めていくこともできるが、判断の前提となる事実を認めていないとなると、証拠を調査して、事実から確定させていく必要がある」と解説する。

朴大統領側は事実関係を否認しているため、裁判の時間がかかるということだ。

キム氏は最後の理由として、「裁判の公正性」を挙げた。

「弾劾裁判も裁判。裁判の生命線は公正性です。特に手続き上の公正性は非常に重要。朴大統領は延期申請もできるし、証拠の申請もできる。朴大統領にも訴訟手続き上のさまざまな権利が保障されなければならない。そういった点を加味すると自然と時間がかかってしまいます」

そしてキム氏は「自分の希望は180日以内」としながらも、結論として「朴大統領の積極的な協力がなければ、それよりもさらにかかる可能性がある」と述べた。

国会で弾劾訴追案が可決し、朴大統領は職務停止となったが、実際に罷免されるのは6カ月以上も先になる可能性がある。国政の空白状態が今後、さらに継続してしまう恐れがあるということだ。

キム氏は、「だから私は責任のある政治家たちが憲法裁判所を通すことなく、政治的な方法で国政を早く安定させる必要があったのではないかと話してきた」と付け加えたが、後の祭だろう。

「国民が望んでるのだから…」韓国人の反応

元憲法裁判官のキム氏の解説を聞いた韓国国民にも、動揺の声が広がっている。報道に触れた書き込みには、以下のようなコメントあった。

「すぐに決めてくれ…国民たちが疲れてしまう」

「これぐらいなら弾劾事由として十分だと判断したら、すぐに判決を下してください。憲法裁判所はこの国のために最善を尽くしてください」

「国民全員が知っている犯罪をなぜ確認する必要があるのか」

「国民が弾劾を望んでいるということが第一の理由ではないのか?」

「(朴大統領を)そのまま光化門に縛り付けろ。国民が審判を下す」

「6カ月もろうそくデモをしていたら、国が滅びます。」

「この機会に憲法裁判所も改革しよう…」

法律にのっとり公正に裁判すれば時間がかかり、結論ありきの裁判になれば“情治国家”という非難は免れない。

弾劾訴追案は可決したものの、韓国の難しい状況は続いていきそうだ。

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(文=S-KOREA編集部)