中国の道路またぐ立体バスTEB、財政的問題で2か月間放置状態。資金提供止まり、不払いも表面化

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道路をまたいで走行する巨大バスTEB(Transit Elevated Bus)のプロジェクトが、もう2か月以上も立ち往生していると中国国内のニュースサイトが報じました。この巨大レールバスを開発するTEB Technology Limitedは11月のはじめごろから重大な財政問題に陥っているとしており、8月に公開されたプロトタイプ車輌とテストコースの管理を任されているふたりの老人も「いまや雇い主と連絡もつかない」としています。

TEBのウェブサイトはまだ存在しているものの、案の定というかその更新は9月15日を最後に行われていません。The PaperはTEBの上級役員のひとりから聞き出した話として、唯一の出資企業だった北京の金融企業が複数の不正に関する告発を受け、それを境に資金提供がなくなったため、TEBは11月上旬から重大な財政危機に陥っているとと伝えています。

 

 

TEBの技術面を担当した設計事務所のAutekは、その設計料をまだ20%しか受け取っていないとのこと。ところがTEB発明者Song You Zhou氏はこの件について、すでに60%を支払ったと主張しています。一方、TEBの元従業員は、TEB Technology Limitedに務めていた100人を超えるエンジニアリングチームが実際にはAutekと地元大学から派遣されていたと証言しました。

思えばTEBの構想は当初から疑問だらけでした。信号機や歩行者はどうするのか、交差点を横切るときはどうするのか、そもそもあの車幅で何両か連結して交差点を曲がることなどできるのかetc...。さらに実走する試作車が公開されたときもその車高(股下?)の低さにバスやトラックが走っていたらどう回避するのかといった疑問にも具体的な回答はありませんでした。

 

ちなみに、TEBのテストコースは地元地域との合意に基づいて公道上に設置されています。もともとはプロトタイプ車輌のお披露目を兼ねた走行を行う期間に限って作られたコースであり、延長契約がされなければ8月31日にはもとどおりに復旧するという約束でした。Song You Zhou氏は「現在もテストコースは試験に使われている」と主張するものの、先の警備員の証言や地域の見解とは食い違っています。またTEB Technologyの会社自体もすでに元の場所にはなく、会社の主要人物もなかなかつかまらない状態。地元住民は現在もテストコースが専有した部分に限り、反対向き車線の1本を使っての通行を強いられています。

なお、Song You Zhou氏はまだTEB実現のために新しい投資家を探しているとのこと。しかし、もはやTEBが財政的にも技術的にも実現可能だと思っている人など、ほとんどいないと言ってよさそうです。

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