Q:食事のたびごとに、歯磨きするのが習慣です。最近、食後すぐに歯を磨くと、かえって虫歯や歯周病になりやすいと聞きました。どうしてでしょうか。歯はあまり磨かないほうがよいのでしょうか。
(26歳・作業療法士)

 A:以前は、歯は食後すぐに磨いたほうがよいと考えられ、歯科医師も食後すぐに磨くのを習慣にしたものです。しかし現在では、食後すぐには磨かないほうがよいとの考え方に変わってきました。その理由は、食後は唾液が活発に分泌され、口の中が潤っているため、唾液が食べ物のカスを洗い流し、歯垢(プラーク)の増殖を抑えるからです。
 また、食事をすると口腔内は酸性に傾き、歯の表面のカルシウムやリンが唾液中に溶け出します。そのため、歯は少し軟らかくなります。
 ところが食後30分経つと、唾液の緩衝作用が働き始め、30分から60分かけて歯は元の硬さに戻ります。これを再石灰化と言います。
 以上のように、食後の唾液には様々な効用があります。ですから、食後すぐに歯を磨くと、それらの効用が得られず、虫歯や歯周病になりやすいわけです。しかも、軟らかくなった歯の表面を歯ブラシでこすると、歯はキズつけられてしまいます。

●食後に舌回しをするとよい
 虫歯や歯周病の原因となるのはプラークです。プラークは細菌の塊で、細菌が出す毒素によって虫歯や歯周病になります。
 このプラークは、食後24時間経ってから作られます。ですから、食後の歯磨きは、食後1時間経ってから行うとよいと言えます。また、夜間就寝中にも作られることから、就寝前と起床時には必ず磨くようにします。
 また、それとは別に、食後に歯間に挟まった食べ物のカスは、歯間ブラシを使って取り除きましょう。
 加えてお勧めしたいのが、食後の舌回しです。これは簡単で、口をつむって、舌をグルグルと回します。舌の先で頬の内側や口の上下をつついたり、こすったりして刺激しましょう。
 こうすることで、唾液の分泌が促進されるし、口腔内の清掃にもなります。

山田晶氏(歯科医師)
日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨格に関心を持ち、骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを取る方法として骨盤回しの普及に努めている。