’00年1月から’16年10月末までで、毎日の始値と翌日始値の騰落率を集計。なお、「回数」が少ない日付があるのは土日と重なる年があるため

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過去13年間で12月は10回も上昇、月別の騰落率でももっとも上がるのは12月だという。しかも今年はトランプ期待もあり、例年以上に強い相場になりそうだ。「年末株高」の理由を検証し、12月に強い銘柄を公開する!

 12月は株が強い――多くの投資家が体感的にそう感じているのではないだろうか。このことは、データでも正しいと裏づけされている。過去の膨大な株価データを蓄積し、株価のビッグデータ解析を得意としているアナリストの中原良太氏によると、「’03年以降の日経平均株価を調べると、12月がマイナスだったのは過去3回だけ。13年間で10回も12月は上昇しているのです」という。

 マイナスだったのは、サブプライム・ショック前夜の’07年、そして’14年と’15年。直近2年はマイナスだが、’14年は9円安とほぼ変わらず。’15年は米国の利上げ期待による新興国の株価下落や原油価格の下落などで一時的に世界中の株価が売られたが、12月下旬から大幅に戻して終わっている。

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「’00年以降で月ごとの騰落率を調べると、日経平均は2.99%の上昇と12月がもっとも高いのです。マザーズ市場にいたっては、12月だけで4.72%の上昇です。また、日ごとの騰落率を見ると、上位11日のなかに12月は3日も入っています。このデータからも『12月は株が強い』といえるでしょう」(中原氏)

◆年末には株の売り手、円の買い手が減少する

 例年、なぜ12月に株は上がるのか? 株式ジャーナリストの大神田貴文氏はこう説明する。

「12月の株高の背景には、大口プレーヤーの投資行動があります。一言でいえば、売り手が減って、買い手が増えるということ。海外ヘッジファンドは11月決算が多く、12月になると新規資金が市場へ投入されるので、株価が上がりやすくなる。今期はトランプ次期大統領の政策に対する期待感や日本や欧州でのマイナス金利継続で、ファンドが運用資金を集めやすい。ニューヨークダウの史上最高値更新でリスク許容度の高まった投資家が多いことも、日本株への資金流入に繋がるでしょう。ただし、今年は12月13〜14日に開かれるFOMCで利上げ観測が高まっており予断を許しませんが、米大統領選以降、急速な円安・株高が進んでいます。原油価格は底打ちしており、国際市況の回復が進めば、株価の上昇圧力は一段と高まりそうです」

 また、株高の背景には、為替の影響もある。

「相場水準によらず外貨を円に替える宿命のある輸出企業が休みに入ると円の買い手が少なくなり、12月下旬から1月上旬は為替市場が円売り・ドル買いに傾きやすい。投機筋もそのタイミングを見計らって、円売りを仕掛けることが多くなる。為替が円安に動けば、日本株は買いで反応するのが通例です。また、年末年始には恒常的に売り手に回ってきた金融機関も市場から姿を消すため需給は改善し、株価上昇を後押しすることになります」(大神田氏)

 さらに大神田氏によると、「証券会社の営業努力も大きい」という。

「野村證券は毎年12月ごろ、機関投資家を集めて一大投資セミナーを開きます。今年は11月28日〜12月2日に開催され、海外機関投資家で盛況だったようです。バンクオブアメリカ・メリルリンチなどほかの有力証券も12月から1月にかけてセミナーを開くので、機関投資家マネーが株式市場に集まりやすくなります。さらに今年見逃せないのが、中東マネーです。大手証券各社は『キャラバン隊』と呼ばれる営業部隊を中東に派遣し、政府系金融機関や石油財閥にオイルマネーの受け皿として日本株を売り込みます。原油価格が底打ちした今、中東勢の資金も加われば、今年の12月はさらに株価上昇が期待できそうです」