アーロンふんするアメリカ軍のドローンパイロット(『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』より)
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 映画『キングスマン』『英国王のスピーチ』などのオスカー俳優コリン・ファースとともに、映画製作会社「レインドッグ・フィルムズ」を立ち上げたイギリスの映画プロデューサー、ジェド・ドハティが、『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』のプロモーションのため、11月に来日。無人偵察機ドローンを使い、潜伏するテロリストをピンポイント爆撃する現代の見えない戦争をリアルに描き、複数の映画賞にも輝いている本作について、その狙いから撮影秘話などを語った。

 本作の主人公は、イギリス軍の諜報機関を指揮するパウエル大佐(ヘレン・ミレン)。ケニア・ナイロビ上空を飛行する偵察用ドローンが捉えた映像から、大規模な自爆テロ計画をキャッチしたパウエル大佐は、合同作戦を展開するアメリカ軍のドローンパイロット(アーロン・ポール)に攻撃命令を下すが、直後、爆撃の殺傷範囲内に、何も知らぬ少女が立ち入っていることが判明。少女を犠牲にしても攻撃を続行し、テロを未然に防ぐべきか否かの究極の判断を迫られる様を、緊張感たっぷりに描いている。また、『ハリー・ポッター』シリーズなどで知られる名優アラン・リックマンさんが国防相ベンソン中将として出演しており、本作は遺作となった。

 メガホンを取った『ツォツィ』『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などのギャヴィン・フッド監督について、「監督にギャヴィンを選んだのは私です。彼は登場人物の感情とストーリーをしっかり描ける監督だから」と胸を張るドハティ。さらに「ナイロビでのロケ撮影を最後に行ったので、ヘレンもアランも、何も映っていないブルースクリーンを見ながらの演技だった。彼らの想像力と演技力に敬意を持ちますね」とスタッフ&キャストを称える。

 劇中には、実際の偵察で使用される小ぶりの小鳥型や昆虫型ドローンも登場し、現在のドローン戦のリアリティーを実感できる。「軍から機密情報としてストップがかかることは一切なく、むしろこうしたドローンの使われ方がいいのか悪いのか、軍でも意見が分かれ、広く社会で議論になることを望んでいるようです」と軍関係者の意外な反応もあったという。

 「何が正しくて、何が間違っているのか、それをどう考えればいいか。観た人に考えて欲しいというのが、私の思いです」。そう語るドハティは、こだわりのシーンについても明かす。「エンディングで、テロリストのトラックがある役割を果たすんです。道具は、人を殺すためにも人を救うためにも使える。そして武器を置くということの重要さを象徴させました」。本作が映し出す現代の見えない戦争を、あなたはどう捉えるか。(取材/岸田智)

映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』は12月23日よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開