別府市宣伝部長のべっぴょんとツダカンこと津田寛治。

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 バラエティー番組「痛快TVスカッとジャパン」(フジテレビ系)で、嫌な上司役などで、“視聴者のムカつき五感”を見事に刺激してくるツダカンこと津田寛治だが、実際の津田が大分県にある別府ブルーバード劇場で行われた第1回Beppu凱旋映画祭で役柄のイメージとはまるで違う素顔を見せた。(取材・文:森田真帆)

 この日会場では、北野武監督の『HANA-BI』を上映後に、本作に出演していた津田のトークショーが予定されていた。創業65年という長い歴史を持つ映画館に現存するフィルム映写機を使い、現役館長で85歳の岡村照さんが自ら35ミリを映写する大変貴重な上映となった。しかし、古い映写機だからこそトラブルも発生する。「映写トラブルにより30分上映が遅れてしまいます。大変申し訳有りません」とアナウンスされると、上映前から最後列に座っていた津田がスッと関係者席に近づいて何かをささやいた。

 「痛快TVスカッとジャパン」での津田の演技を思い出すと、ネチネチと文句を言っていそうなところだが、実は真逆。そのままステージに上がると、「皆さん、フィルムのトラブルみたいなんで、それまで僕とお話しして待っていましょう!」とニッコリ。津田のトークショーは上映後であったにもかかわらず、機転を利かせての対応に、会場からは「超イイ人や!」大拍手が沸き起こった。

 ステージに上がった津田は、映画『HANA-BI』にまつわるエピソードを披露。刑事役の寺島進に尋問されるチンピラ役でワンシーンしか登場せず、後姿しか映っていない津田だが、すべてアドリブで撮影されたそう。「アドリブで言ったセリフの中に『大分に行こうと思って』っていう一言があるんです。あの当時縁もゆかりもない大分をなぜあそこで言ったのか謎だったけど、その映画がきっかけで今日、ここ大分に来たので、なんだか不思議な縁を感じますよね」と話した。

 「古い映画館が大好き!」という津田は、初めて訪れたという別府ブルーバード劇場について、「本当に懐かしい匂いがするというか、こんな素敵な映画館があったんですね。こういう上映トラブルも懐かしく、最近シネコンの舞台あいさつなんかで通る映写室は無人で寂しいんです。でもこのステージから見ても、映写室の中に人が見えて、温かい気持ちになる。僕は別府に来たことも初めてだったんですが、すごく楽しくてすぐに戻ってきたいです」と話し、高齢の館長が守り続けてきた劇場をすっかり気に入ったようだった。「フィルムって本当に大変ですよね。僕も若い頃はまだフィルムで撮影していた作品に出演したことがあって、NGを出してフィルムの無駄を出さないように、張り詰めた緊張感の中で演じていました」と改めてフィルム映画への思いを語った。上映後も予定通りにトークショーをした津田は、観客に「みんなでこういう映画館を大切にしていきましょう!」と語りかけた。